日々、全国各地で交通違反の取り締まりがおこなわれていますが、検挙件数が最も多いのはどの違反でしょうか。
　
　また、最も反則金が高い違反は何なのでしょうか。

　クルマを運転していると、ときどき交通違反で捕まっているドライバーを見かけます。

　警察庁の公表している「道路交通法違反の取締り状況」という統計資料によると、2022年中の交通違反の検挙件数は614万1535件であり、1日あたり約1万6800件もの違反が検挙されている計算です。

　このように日々、全国各地で交通取り締まりがおこなわれていますが、数ある交通違反のうち、最も検挙件数が多いのはどの違反なのでしょうか。

　それは「指定場所一時不停止等」、いわゆる一時不停止の違反です。2022年中の検挙件数は146万6131件で、全体の約23.9％を占めています。

　また、2022年中にドライバーの一時不停止によって発生した事故は1万2376件であり、特に交差点での出会い頭事故を防止するため警察が取り締まりに力を入れている違反といえるでしょう。

　さらに、一時不停止に次いで検挙件数が多いのは「最高速度違反」（スピード違反）の93万2260件で、全体の約15.2％を占めました。

　道路でスピードを出し過ぎると、カーブを曲がりきれなかったりスリップしたりして事故につながるおそれがあるため、取り締まりされやすい違反と考えられます。

　最高速度違反の検挙内容は「時速50km以上」が1万2396件、「時速30km以上50km未満」が12万7370件、「時速25km以上30km未満」が19万2311件、「時速20km以上25km未満」が31万7498件、「時速15km以上20km未満」が28万2555件、「時速15km未満」が130件という結果でした。

　時速15km未満の速度超過に対する検挙数は全体の約0.002％と非常に少ない一方、時速15km以上になると検挙数が増加する傾向にあります。

　最近では自由に持ち運びができ、狭い道路にも設置可能な移動式オービスによる取り締まりもおこなわれているため、スピードを出し過ぎないよう注意して運転することが大切です。

　そして、3番目に多いのは「放置違反金納付命令件数」です。この放置違反金納付命令とは、ドライバーが放置駐車違反をしたあと警察に出頭せず、放置違反金を納付しないときに公安委員会が出す命令のことで、2022年中は69万8533件で全体の11.4％でした。
　とりわけ東京都では路上駐車による交通渋滞や、路上駐車が原因となる交通事故が多数発生しており、ドライバーがその場にいない放置駐車違反に対しては厳しい取り締まりがおこなわれるものとみられます。

　仮に取り締まりを受けて放置違反金を納付せずにいると、最悪の場合は車検が拒否される、強制的に財産を差し押さえられるといった事態に発展するため、注意しましょう。

　交通違反をして検挙されると、基本的に違反点数が累積し、反則金が科されます。

　反則金は普通車で6000円から9000円の価格帯が多く、検挙されれば大きな負担となります。

　なお普通車の場合、最も反則金が高い交通違反は「高速道路での速度超過・時速35km以上40km未満」と「積載物重量制限超過（10割以上）」の2種類で、いずれも3万5000円の反則金です。

　特に高速道路においてはスピードを出すドライバーが散見されるため、制限速度には十分気をつけましょう。

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　一時不停止や最高速度違反以外には通行禁止違反、信号無視、横断歩行者等妨害等違反の検挙数も多く、交通事故につながりやすい違反への取り締まりが強化されています。

　事故や違反をしないために周囲の安全をよく確認し、落ち着いた運転を心がけましょう。