三菱が新型「軽商用バン」生産スタート! まもなく日本発売の「新型ミニキャブ」は“2人乗り仕様”もアリ! 大幅進化した「電動軽バン」尼工場で初の生産
三菱自動車は、まもなく日本で発売開始される新型の軽商用バン「ミニキャブEV」の生産を、インドネシアの合弁会社で開始したと発表しました。初の海外生産となる軽商用EV、新型ミニキャブEVとはどのようなクルマなのでしょうか。
日本の軽商用車が、初の海外生産に!
三菱自動車は2023年12月15日、軽商用バンの新型「ミニキャブEV」の生産を、インドネシアの合弁会社ミツビシ・モーターズ・クラマ・ユダ・インドネシア(以下、MMKI)で開始したと発表しました。
同車の現地名は「L100 EV」で、現地での発売は2023年度第4四半期を予定しています。
新型ミニキャブEVは、これまで三菱が販売していた「ミニキャブ・ミーブ」をベースに大幅改良を加えたワンボックスタイプの新型軽商用EVです。
世界初の量産型EVとして2009年に登場した軽乗用車(のちに小型車に規格変更)の「アイ・ミーブ」で実績のあるEVシステムを搭載しており、現在のところ国内メーカーで唯一の軽商用EVでもあります。
新型ミニキャブEVは、先述のミニキャブ・ミーブの開発やメンテナンスで得られたノウハウを最大限に活かしつつ、ユーザーから要望の多かった航続距離の向上や、安全装備・機能装備の充実など大幅改良を実施。
モーターとインバーターを一体構造化するとともに、駆動用バッテリーの電池容量を約25%向上するなど、電動系コンポーネントを新世代化しました。
このようにモーター効率を高めた結果、満充電での航続距離が先代モデル比約35%増の180km(WLTCモード)まで延びています。
新型ミニキャブEVの充電時間は、普通充電(AC200V・15A)の場合に約7.5時間で満充電となるので、業務終了後に充電を始めれば、翌日の業務開始時には満充電状態に。さらにメーカーオプションの急速充電を用いれば、約42分で80%まで充電が可能です。
また、回生ブレーキを積極的に活用するBポジション時の回生力を強め、実用電費をより向上させています。
さらに、車両に蓄えられた電気を外部電力用に使用することができるアクセサリーコンセント(AC100V・最大1500W)をフロアコンソール背面に装備。
走行性能の向上としては、前後ショックアブソーバーの減衰力特性を見直し、乗り心地や不快な揺れを抑制しています。
安全面では、衝突被害軽減ブレーキや車線逸脱警報、誤発進抑制機能などの予防安全技術「三菱 e-Assist」を搭載しました。
三菱社長の加藤隆雄氏は、今回発表された新型ミニキャブEVの生産開始について以下のようにコメントしています。
「2017年にSUV『エクスパンダー』の生産から稼働開始したMMKIは、今ではインドネシア国内販売モデルにとどまらず、輸出モデルの生産も行うことでインドネシアの自動車産業の発展を後押ししています。
今回、当社として海外初となるEV生産を開始したことにより、アセアンにおけるEVへのニーズの高まりに応えると同時に、同国の環境に対する取り組みについても貢献をしていきたいと考えております」
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新型ミニキャブEVは日本でも2023年12月21日に発売が予定されており、販売価格(消費税込)は2シーター仕様が243万1000円、4シーター仕様が248万6000円です。
正式発売前のため、国による補助金(クリーンエネルギー自動車導入促進補助金)などは明らかにされていませんが、前身となるミニキャブ・ミーブでは2023年に44万9000円の補助金が交付されていたため、同等の額が見込まれています。
日本を発祥とする「軽自動車」が、今回の新型ミニキャブEVをきっかけに海外へ普及することについて、期待と注目の目線が集まっています。
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