ホンダは高級ミニバン「オデッセイ」を国内に再投入し、2023年12月8日に発売しました。
　
　1994年にデビューした初代オデッセイは、背の低いスタイリッシュなデザインやセダンのような走行性能などを採用したことで人気を博し、ミニバンブームの先駆けとなったモデル。

　2013年に登場した最新の5代目は、車高を高めてスライドドアを備えたミニバンへと変更され、その後、2度のマイナーチェンジをおこなって進化し続けていたのですが、製造を担当していた狭山工場が閉鎖されたことにともない、2021年12月末に生産が終了しました。

　そして今回、2年ぶりにオデッセイが復活。新たなオデッセイは、ホンダの中国合弁会社「広汽本田汽車」が中国で継続生産しているモデルを輸入し、国内で販売されるホンダ車として初の中国生産車となります。

　新オデッセイの国内再導入にあたり、改良も実施されました。

　外観は、フロントグリルの開口部上段を拡大し、水平基調の5本バーに突起状のデザインを組み合わせてワイド感と高級感を付与。インテリアは、2列目に4ウェイパワーシートを標準装備し、オットマンやリクライニング動作を電動化することで、きめ細かい調節が可能となっています。

　さらに、2列目シートヒーターや折りたたみ式センターテーブル、2列目専用の急速充電付きUSBチャージャーも装備されるなど、快適性の向上が図られました。

　その一方で、従来モデルが2020年11月にマイナーチェンジしたときに日本で初めて搭載された「ジェスチャーコントロール・パワースライドドア」ですが、新型モデルでは廃止されました。

　ジェスチャーコントロール・パワースライドドアとは、ドアノブにふれることなく、流れる光に手をかざすことでパワースライドドアの開閉が可能となる斬新な機能。光の演出とジェスチャー操作による新たな体験ができるとあって、マイナーチェンジモデルで注目されたものです。

　その一方で、機械式の洗車機を利用したときに、洗車機の動きにセンサーが反応してスライドドアが開いてしまう可能性も指摘され、一部ガソリンスタンドでは注意喚起の案内をセルフ洗車機に掲示するところも存在したのです。

　そして新型オデッセイでは、ジェスチャーコントロール・パワースライドドアの機能がなくなった代わりに、スマートフォンでスライドドアを開閉する新たな仕組みを導入。

　新世代コネクテッド技術を搭載した車載通信モジュール「Honda CONNECT（ホンダ コネクト）」をオデッセイとして初めて採用し、その機能のひとつとしてスマートフォンからのリモート操作でスライドドアの開閉が可能になりました。

　もちろん、リモコンキーや運転席のスイッチ操作、ドアノブを少し引くだけでも自動開閉をおこなうことができます。

　なお、ホンダ コネクトでは乗車前にエアコンを作動させたり、駐車後のカギのかけ忘れたときなど、スマートフォンから操作ができるなど、つながる技術で利便性が向上しました。