いまのクルマ「暖機運転」は要らない? 準備運動ナシで大丈夫? 状況によっては必要の可能性アリ! どんな条件なのか

寒冷地だと話は違う? 暖機運転がマストなわけ

 それでは、暖機運転は全く必要ないかというと、そうとも限りません。とくに、冬場のように寒い時期になると、暖機運転は重要になってきます。

 自動車整備士は、暖機運転について、次のように話します。

「現代のクルマは、数十年前のクルマと比べて格段と性能が上がっているため、もちろん、温めるに越したことはありませんが、暖機の必要性が薄れています。

 一方で、冬場などの寒い時期は、暖気をしてあげた方がエンジンへの負担が減り、望ましいと言えます。

 エンジンを構成するパーツ類は、熱で膨張するため、そもそも隙間を開けて配置されています。

 エンジンが冷えている際は、パーツの隙間が広がり、エンジンオイルも必要な部分に届きにくい状態です。

 エンジンを適温に温めてパーツを膨張させオイルを回すというのは、現代のエンジンにも必要です。

 そうしなくても問題なく走行できるだけの精度はありますが、始動前にエンジンやオイルが冷えていることに変わりはないので、現代でも、暖機運転をしたほうが長くクルマを維持できるといえます」

アイドリングは都道府県によって条例で禁止されている
アイドリングは都道府県によって条例で禁止されている

 このように、現代でも冬場の場合は、暖機運転が必要になるようです。

 冷え込みの厳しい時期は、エンジンルームの温度が下がり、パーツ類やオイルが過剰に冷却されている状態と言えます。

 とくに、氷点下のようにかなり気温が低い状況では、各回転部などが凍結している恐れがあるので、破損を防ぐために短時間でも暖気運転をすることが理想的です。

 寒冷地のなかには、フロントガラスが凍ったり、雪にクルマが埋もれたりと、そもそもクルマを温めなければ出発できない地域もあります。

 こうした地域では、雪下ろしする間にエンジンをかけて暖機運転することは必要な行為といえます。

 また、久しぶりにクルマを運転する場合は、エンジン内部のパーツに満たされている油膜が薄くなっていると考えられるので、オイルを十分に循環させられるように暖機運転するとよいでしょう。

 とはいえ、昔のクルマとは違い、エンジンの回転数が落ち着く1分ほどで問題なく走行できる状態になるようです。

 走り始めもゆっくりと暖機走行するのがポイントです。エンジンなど各部分の温度が上がってから通常の運転に戻すとよいようです。

 なお、トラックの場合は性能向上により昔ほど意識はされませんが、クルマを長く維持する観点から暖機が必要とされているようです。

 暖気スイッチにより、暖機走行に切り替えることも可能です。スイッチを入れるとエンジンの回転数が落ち、暖機運転に切り替わったときにアナウンスで知らされます。

 エアブレーキを搭載する車種では、暖機運転はブレーキに利用する空気圧を充てんする役割も兼ねており、その際にかかる時間は10分以上です。

※ ※ ※

 エンジンなどの機械を準備運動させる暖機運転。クルマを長く保つために優しい動かし方を覚えておくとよいかもしれません。

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Writer: Peacock Blue K.K.

東京・渋谷を拠点とするオンライン・ニュース・エージェンシー。インターネット・ユーザーの興味関心をひくライトな記事を中心に、独自の取材ネットワークを活用した新車スクープ記事、ビジネスコラム、海外現地取材記事など、年間約5000本のコンテンツを配信中。2017年創業。

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