「まさかの乗車拒否?」 空車なのに手を挙げてもスルーのワケ! 意外なルールの中身とは

交通ルールやマナーを守れないと停まってくれない 

 タクシーが停まってくれないといっても、そもそも手を挙げた場所がクルマを停められない環境だったということも考えられます。

 たとえば、交差点に近い場所やバス停、消火栓の前といった駐停車が禁止されている場所。

 また、急に手を挙げられても、ドライバーは急ブレーキで停まることはできません。

 よくあるのが、中央車線を走っているタクシーに手を挙げるパターン。しかし、車線変更が難しければクルマを寄せることはできません。

 反対に、ときにはドライバーが手を挙げたお客さんに気づかないこともあるようです。

 では、タクシー乗り場ではどうでしょうか。

 この場合は、列に並ばず手前などで手を挙げても、混乱を避ける観点から乗せてもらえることはないようです。

 とはいえ、タクシーの運転手は、業務上はお客さんが手をあげたら止まらなくてはなりません。前述の事情以外では、基本的には止まってくれるはずです。

 しかし、場合によっては、止まってくれたとしても、目的地まで乗せてくれない場合があります。

 タクシー会社の担当者は、次のように話します。

「空車表示のあるタクシーは、お客さまからの合図があれば基本的に止まるようにしています。

 しかし、お客さまの行き先が営業区域外だった場合は、お断りせざるをえません。

 また、お客さまが明らかに泥酔状態になっていて通常な会話が困難であったり、お客さまの服が汚れていて次に乗るお客さまに支障が出る場合も乗車をお断りする可能性はあります。

 当社ではお客さまからの合図があるのに止まらないのは適切ではないと考えています」

タクシー側にも様々な事情がある
タクシー側にも様々な事情がある

 このように、空車表示のタクシーが止まってくれたとしても、必ず乗せてくれるとは限らないので注意が必要です。

 しかし、タクシー会社的にはタクシーは基本止まるものである、という認識のようです。
 
 タクシーが停まってくれないのにも、さまざまな事情があります。

 乗車可能なのはもちろん「空車」です。クルマが空の状態を表すのでいつでも利用できます。

 最近では外国人観光客に向けて「空車 VACANT」と表示するタクシーも増えてきました。

 一般的にわかりにくいのは「回送」ではないでしょうか。

 「回送」は、仕事を終えて帰庫している状態や、車両が故障している、ドライバーが休憩しているなど乗客を乗せる意思がないときに表示します。

 表示されている場合は乗車できませんが、タイミングが合えば乗せてもらえるかもしれません。

 まれに、ドライバーがトイレや燃料補給などの際に「回送」を表示し忘れて「空車」のまま走行することもあるのだとか。このような場合は乗せてもらえることは少ないでしょう。
 
※ ※ ※

 タクシードライバーは法令や交通秩序を守りながら走行しており、これまで乗車拒否と思っていたことも勘違いだった可能性があります。

 確実に乗りたいという場合は、スマートフォンの配車アプリを利用するのもよいでしょう。

 また、万一、走行距離が短いといった明らかに不当な理由で乗車を拒否された場合は、各地のタクシーセンターに通報してください。

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Writer: Peacock Blue K.K.

東京・渋谷を拠点とするオンライン・ニュース・エージェンシー。インターネット・ユーザーの興味関心をひくライトな記事を中心に、独自の取材ネットワークを活用した新車スクープ記事、ビジネスコラム、海外現地取材記事など、年間約5000本のコンテンツを配信中。2017年創業。

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