オートマの「謎」ポジション「Nレンジ」いつ使う? 利用には「リスク」も!? むやみに「ニュートラル」を使ってはダメな「理由」とは
無意識なNレンジ投入により「急発進事故」を誘発する危険性が高い
ただ、いまもNレンジを使うドライバーの多くは、「信号待ちのたびにNレンジを使うことがクセになっている」ということが実は最大の理由でしょう。
当初は前述したような目的があったのだろうと思いますが、燃料削減については技術で解決されてからすでに20年も経過しています。
![シフト操作後にシフトポジションが真ん中に戻る「電制式シフト」は、現在のシフトポジションをメーター表示などで確認する必要があります[画像はイメージです]](https://kuruma-news.jp/wp-content/uploads/2023/11/20221129_toyota_4th_prius_shift_001.jpg?v=1669720220)
ブレーキを踏み続けると疲れるという点に関しては、Pレンジを使えばいいだけのことです。
また昨今のクルマには「オートブレーキホールド」が搭載されているクルマも多く、作動させることで、ブレーキペダルを踏み続けなくてもブレーキが利いた状態を維持してくれます。
このように、現代のAT車において、Nレンジを使うことに意味はありません。
そればかりか、信号待ちでNレンジに入れてパーキングブレーキをかけるクセがついているタクシードライバーは別として、そのようなクセがついていないドライバーが信号待ちでNレンジを使うことは、誤操作に繋がりかねない大変危険な行為でしかありません。
Nレンジに入れていたのを忘れてしまい、発進時にアクセルを強く踏み込み「クルマが動かない」と慌ててDレンジへシフトを入れ、シフトチェンジと共にクルマが急発進……。
こうした、非常に危険な状態に陥る可能性も考えられるからです。
特に、しばしば電制シフト搭載車で起こる事故は通称「プリウスミサイル」といわれ、SNSなどでもたびたび話題になります。
電制シフト搭載車は、シフトが現在どこに入っているか、メーターを見ないと確認しづらいため、こうしたシフトミスが重大な事故を引き起こす大きな理由のひとつと考えられています。
このように様々なアクシデントが考えられるため、信号待ちでのNレンジは、避けたほうが良いでしょう。
※ ※ ※
長い渋滞に巻き込まれ、しばらくクルマが動く気配がない場合には、NではなくPレンジとパーキングブレーキを併用するほうが、誤操作も減ります。
AT車でのNレンジは、原則的にレッカー車によるけん引の時に使うためのものと考えるべきです。
Writer: くるまのニュースライター 河馬 兎
お金と法律に関する複数の資格をもつWEBライター。好きな言葉は「お風呂」と「ハイボール」











































