日産が次期「GT-R」みたいな実車を展示! 2029年登場か!? 斬新デザインの「ハイパーフォース」って何なの? 匂わせで分かるコトとは

果たして次期GT-Rはいつ出るのか? ポイントは「20年周期」

 このように色々分析してみても、間違いなく否定的なコメントが付くのは明らかです。

 その原因はアニメの世界からやってきたかのような個性的なスタイルです。

 日産は「グループ5のシルエットフォーミュラをオマージュ」と語っていますが、SNSを見ていると、「ハリボテ感満載」「タケヤリデッパ」、「子供の工作」と、とにかく言われ放題。

 これは同じコンセプトカーながらリアル感満載の「マツダICONIC SP」とは対象的です。

 ただ、日産はこれらの意見に対して想定内どころか「してやったり」でしょう。それはなぜか。それは登場時期がまだまだ先だからです。

 GT-Rの歴史を振り返ると「20年周期」で登場している事が解ります。

 第1世代(ハコスカ)は1969年、第2世代(R32)は1989年、そして第3世代(R35)は2007年に登場しています。

 実は第3世代は、当時CEOだったカルロス・ゴーン氏が「早く出せ!」と言うトップダウンにより2年前倒しになったと言います。

 つまり、本来は2009年に登場予定だったのです。そこから20年後つまり2029年が次期GT-Rの登場時期と言うわけです。

 ハイパーフォースには全個体電池が搭載される予定ですが、日産の長期ビジョン「Nissan Ambition 2030」で「2028年度までに 自社開発の全個体電池を搭載したEVの市場投入を目指す」と語っています。

 新聞・経済誌は「全個体電池はゲームチェンジャー」と語りますが、ハイパフォーマンスだけど価格も高いためいきなり普及とはいかず、価格が高い付加価値を持つモデル、日産のフラッグシップとなるGT-Rからと考えるのが素直でしょう。

日産の社長兼CEOの内田誠氏と「ハイパーフォース」
日産の社長兼CEOの内田誠氏と「ハイパーフォース」

 仮に現時点でリアルなコンセプトモデルだと、デザインには鮮度があるので5年後が辛くなってしまいます。

 だからこそ、今は良くも悪くも“飛んだ”モデルで雰囲気だけを伝える…と言う方法を選んだのでしょう。

 まぁ、そういう意味ではハイパーフォースは本の行間を読むと言った見方しないと、その本質は解らないのかもしれません。

 ただ、ひとつ明らかなのは、ハイパーフォースの存在により「GT-Rの歴史は今後も続く」と言う事がハッキリした事でしょう。

 2029年まであと4年ちょっと、それまでR35を進化し続けるのか、それとも一旦小休止するのか、その辺りも気になる所です。

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Writer: 山本シンヤ

自動車メーカー商品企画、チューニングメーカー開発を経て、自動車メディアの世界に転職。2013年に独立し、「造り手」と「使い手」の両方の想いを伝えるために「自動車研究家」を名乗って活動中。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

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