なぜミニバンやSUVに「スポーツモード」存在? 速く走る必要性はある? もはや車種関係なく「走りの味」が選べるワケ
ニーズの多様化で「走行モード」の中身も進化している?
一方、自動車メーカーの立場からは、スポーツモードのまた違った役割が見えてきます。
ある自動車メーカーの関係者は次のように話します。
「かつては専用開発の部品が多かったこともあり、モデルごとのキャラクターは必然的に異なっていました。
しかし、現在では少数のプラットフォームから複数のモデルを開発する手法が一般的となっており、かつてと比べるとモデルごとの個性を引き出すことが難しくなりつつあります。
特に『走り』に関わる部分はどうしても均一化してしまいがちです。
そこで、スポーツモードを採用することで、同じクルマのなかに複数のキャラクターを持たせるという方法をとることが多くなってきたと考えられます」

プラットフォームをはじめとする部品の共有化が進んだことで、クルマの基本性能は大きく向上したと言われています。
また、コスト削減にも大きく貢献していることは言うまでもありません。
ただ、近年ではユーザーの嗜好も多様化しており、自動車メーカー各社は少数のプラットフォームから多様なユーザーニーズに対応することが求められるようになっています。
そして、スポーツモードの採用はそうした課題に対する有効な解決策のひとつとなっているようです。
それに加えて、電子制御技術の進歩により、制御プログラムの変更がしやすくなったということもスポーツモードを採用するモデルが増えてきた背景にあるようです。
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スポーツモードを採用しているモデルの多くは「エコモード」も採用されています。
これは、スポーツモードとは反対にアクセルレスポンスや空調などを制御することで、燃費性能の改善を図るというものです。
つまり、スポーツモードとエコモード、そしてノーマルモードという3つのキャラクターを使い分けられるモデルが増えていることになります。
またヒョンデ「アイオニック5N」では、走行モード以外にブーストモードのような瞬間的に出力を向上させる仕様があるなど、今後も「走りの味付け」は広がりそうです。
Writer: Peacock Blue K.K.
東京・渋谷を拠点とするオンライン・ニュース・エージェンシー。インターネット・ユーザーの興味関心をひくライトな記事を中心に、独自の取材ネットワークを活用した新車スクープ記事、ビジネスコラム、海外現地取材記事など、年間約5000本のコンテンツを配信中。2017年創業。


































































































