ホンダエンジン搭載の日産「スカイライン」現る! 超ド級カスタム「ER34」の中身が凄い! SEMAで展示
日産「スカイライン(ER34)」にホンダエンジンを載せた仕様が発見されました。どのようなクルマなのでしょうか。
SEMAショーで発見!ホンダ K型エンジンを換装したスカイラインER34
アメリカ・ラスベガスで毎年11月に開催される、世界最大級のアフターマーケットパーツの見本市「SEMAショー」。
2023年10月31日から11月3日まで開かれた今回のSEMAショーではアメリカ車だけでなく、昨今の日本車人気の影響で日本製のネオクラシックカーや旧車も多く展示されています。
SEMAショーはSEMA(Specialty Equipment Market Association、米国自動車用品工業会)が1967年より主催している見本市で、例年11月頭に開催されます。
クルマのカスタムやエンジンのチューニングだけでなく、タイヤやホイール、塗装、リペア用品、カーケア用品、カーラッピング、電装品、工具、整備用品など、さまざまな「アフターマーケット」の会社・ブランドがこのショーに集まります。
また、特にここ数年ではいわゆる「25年ルール」でアメリカでの登録が解禁された日本製スポーツカーや、それよりも古い世代の旧車の出展が多く見受けられるようになっています。
純粋なレストアから、レストアついでにカスタムも施す「レストモッド」、さらにはその上をいく大胆なエンジンスワップなど、そのカスタムジャンルは多種多様です。
このように、日本発祥の自動車文化はアメリカをはじめとする多くの国で大きな注目を浴びているのです。
今年のSEMAショーも例年通り、さまざまなカスタムを施した日本車が数多く展示されました。
中でも注目を浴びていたのが、この白い日産 「スカイライン(ER34)」です。
エクステリアは日産のモータースポーツ部門「ニスモ」が手がけるZ-tune仕様のフロントバンパーに、BNスポーツ製ボンネット、そしてガナドール製ドアミラーを装着しています。
リアフェンダーやリアバンパー、サイドステップは「スカイラインGT-R(BNR34)」から拝借し、18インチのWORK MEISTER L1を組み合わせた、とても王道でシンプルな外装カスタムとなります。
ここまで見れば割と普遍的なスカイラインですが、驚くべきはその中身です。
ボンネットを開けると、エンジンルームに鎮座するのはお馴染みのRBエンジンではなく、なんとホンダ製K型エンジンです。
このビルドを手がけたランディ・チュオン氏によると、RB26DETTエンジンのスワップは一般的なので、それとは違ったことがやりたかったとのこと。
そうして誕生したのが、世界初とされるこのK型エンジン換装のER34です。
ベース車両は1999年型スカイライン GT-Tですが、エンジンはアコードやエレメント、CR-Vなどでお馴染みとなるK24型エンジンのブロックに、タイプR車種に採用されているK20型エンジンのヘッドを組み合わせたとのこと。
また、このスカイラインでドリフトをしたいことから、耐久性を重視してアリアス製鍛造ピストンに特注のロッドを組み合わせたとしています。
横置きの前輪駆動車で見ることが多いK型エンジンが、スカイラインに合わせて縦置きに搭載されている様子はなんとも新鮮な感覚です。
ターボチャージャーにはギャレット製G30を採用したほか、K型エンジンを換装した後輪駆動車(86やBRZ、ロードスターなど)のチューニングを得意とする「KPowerインダストリーズ」のインテークマニフォールドや、TFワークス製ターボマニフォールドを使用しているとのこと。
また、重量配分を重視してエンジン本体をなるべく後方に配置した結果、巨大なラジエーターを上下V字型に配置する「Vマウント化」が可能になったと言います。
気になるトランスミッションはBMW車種に採用されているZF製6速マニュアルトランスミッションを使用し、ディファレンシャルにはフェアレディZ(Z33)のものを流用しているとのこと。
ECUチューニングではリンク G4Xフューリーと組み合わせ、最高出力は661 hp、最大トルクは480 lb-ftを誇る性能を実現しています。
K型エンジン信者とスカイライン信者の両方を怒らせるようなビルドですが、これの唯一無二のビルドのおかげでさまざまな出会いも生まれたと、オーナーのチュオン氏は語ります。
日本ではなかなか見ないようなビルドをたくさん見られるのも、SEMAショーの醍醐味と言えるでしょう。
作った人がなっとくしてるならいいが、自分はVTECにターボはいらんな~・・・。