“スタッドレス”でもダメ!? 異例の大雪時に「チェーン規制」実施! 「チェーン必須区間」は13区間? どう対処すべきなのか

2018年に「チェーン規制」について定められましたが、これまでの「冬用タイヤ規制」とは何が違うのでしょうか。また、新たに規制が定められたのはどのような理由からでしょうか。今回は、“チェーン規制”について解説します。

チェーン規制は冬用タイヤ規制よりも厳しい

 2018年に定められた「チェーン規制」は、それまでの「冬用タイヤ規制」と何が違うのでしょうか。また、新たに規制が定められたのは、どのような理由からでしょうか。

チェーン規制ってどこで行われるの?
チェーン規制ってどこで行われるの?

 冬の道路では「冬用タイヤ規制」が行われることがあります。この規制区間は、タイヤチェーンを装着したクルマのほか、スタッドレスタイヤなどの冬用タイヤを履いたクルマであれば走行が可能です。

 一方の「チェーン規制」は、大雪特別警報や大雪に対する緊急発表が行われるような時に実施される可能性があり、この規制区間では、スタッドレスタイヤを装着しているクルマであっても、タイヤチェーンを着けなければ走行できなくなります。

 チェーン規制が定められたきっかけのひとつが、2018年2月の大雪により福井県の国道でおよそ10kmにわたり約1500台のクルマが立ち往生し、解消までに60時間以上を要した事態が発生したことです。

 こういった大雪時の車両の滞留や交通事故を防止するため、2018年にチェーン規制が追加されました。

 チェーン規制に関連する改正が行われる前は、通行止めが実施されず、降雪がピークに達した頃に大規模な滞留が生じてしまったり、大雪が予測される長時間にわたり通行止めを実施したりするなどの問題がありました。

 改正後は、降雪のピーク時のみに通行止めを実施し、降り始めやピークを越えた後は、チェーン装着車のみを通行可能とします。

 従来であれば通行止めを実施するような大雪でも、チェーン規制によって通行止めの時間帯が短縮でき、チェーン装着車など適切な装備のクルマが通行できる時間を確保することが可能です。

 なお、チェーン規制が実施される可能性のある箇所は、急な上り下りのある峠など、過去に大雪によって立ち往生が発生したことのある場所の中で、タイヤチェーンの着脱場所や通行止めが解除されるまで待機できる場所のある区間です。

 現在、国が管理する国道(直轄国道)の6区間と、高速道路の7区間の以下合計13区間が指定されています。

〈一般道〉
・山形県:国道112号月山道路の一部区間
・山梨県・静岡県:国道138号の山中湖~須走(籠坂峠)
・新潟県:国道7号の大須戸~上大鳥
・福井県:国道8号の石川県境~坂井市
・広島県・島根県:国道54号の赤名峠
・愛媛県:国道56号の鳥坂峠

〈高速道路〉
・新潟県・長野県:上信越道の信濃町IC~新井PA
・山梨県:中央道の須玉IC~長坂IC
・長野県:中央道の飯田山本IC~園原IC
・石川県・福井県:北陸道の丸岡IC~加賀IC
・福井県・滋賀県:北陸道の木之本IC~今庄IC
・岡山県・鳥取県:米子道の湯原IC~江府IC
・広島県・島根県:浜田道の大朝IC~旭IC

 そのため、これらの区間を通行する予定がある場合は、降雪が予想される時期にはクルマにチェーンを載せておくと良いでしょう。

 また、タイヤチェーンには、ゴム製、金属、樹脂製、布製など様々な種類がありますが、国土交通省によると自動車用品店などで販売されているものであれば問題ないといいます。

 ただし、スプレーのように薬剤を吹き付けるタイプは、チェーン規制中に通ることはできないため注意しましょう。

 さらに、チェーンの装着は、たまの大雪に、かつ、雪の降る寒い中で行うことになる可能性が高いため、装着方法の事前確認や練習をして備えておくと安心かもしれません。

※ ※ ※

 警報級の大雪が降った時には、事故や立ち往生を防ぐために「チェーン規制」が実施されることがあります。

 実施される可能性のある13か所の道路を通行する予定がある場合は、念のためチェーンをクルマに載せておくことや、チェーンの装着手順を確認したり練習したりしておくことが大切です。

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