MTのみ! “地味セダン”がターボ化で本気のスポーツ仕様に激変!? トヨタ「カローラアクシオ “GT” TRDターボ」がスゴい!

かつて、トヨタ「カローラアクシオ」のコンプリートカーとして、ターボ化されたスポーツ仕様が存在していました。「カローラアクシオ “GT” TRDターボ」とはどのようなモデルだったのでしょうか。

あの「カローラ」がスポーツセダンになった!?

「カローラ」はトヨタを代表する車種のひとつで、現在はセダンの「カローラ」とステーションワゴンの「カローラツーリング」、ハッチバックの「カローラスポーツ」がラインナップされています。
 
 さらに、カローラスポーツをベースとしたホットモデルの「GRカローラ」も存在し、スポーティなイメージも持ち合わせたモデルとなっています。

TRDがターボ化したトヨタ「カローラアクシオ」の過激仕様
TRDがターボ化したトヨタ「カローラアクシオ」の過激仕様

 しかしそれまでのカローラといえば、特にセダンにおいてはユーザーの年齢層も高く、大人しいイメージが強いモデルであったことは紛れもない事実でした。

 そんな過去のカローラに隠れたホットモデルが存在していました。それが今から2世代前の10代目「カローラアクシオ」をベースとし、2009年に登場した「カローラアクシオ “GT” TRDターボ」です。

 車名からも分かるように、TRD(現在のトヨタカスタマイジング&ディベロップメント)が手掛けた同モデルは、NAエンジンをターボ化したことが大きな特徴です。

 カローラアクシオの中でもっともベーシックな「1.5X」の5速MT車がベースで、ベース車のスペックが110馬力/140Nmのところ、ターボ化によって150馬力/196Nmへと大幅にパワーアップしました。

 ただ単にエンジンパワーだけをアップするとクルマのバランスが大きく損なわれてしまいますが、そこはTRDが手掛けたモデルだけあって抜かりなく、足回りにはTRDスポルティーポサスペンションのフルセットがおごられ、ブレーキもパワーアップに合わせてフロントを15インチの大径ブレーキに換装。

 駆動系も強化クラッチカバーを採用して圧着力をアップさせ、エンジンパワーを確実に駆動輪へ伝達できるようになっていました。

 また、本来であればベーシックグレードのために備わらないタコメーターや本革巻きステアリング&シフトノブなども標準装備されるなど、メーカー系ワークスならではの細かな違いも特徴としています。

 もちろんエクステリアも差別化がなされており、専用のエアログリルに前後スポイラー、サイドマッドガードに大径ホイールと、スポーティさを演出するスタイルをまとっており、“オジサンセダン”がれっきとしたスポーツセダンに変貌を遂げていたのです。

 ここまで大きく手が加えられていたこともあって、車両本体価格はベース車よりも100万円ほど高額となる235万2381円となっていましたが、ベース車を購入してここまで仕上げようと思ったら100万円では全く足りないのは明白。非常に買い得感の高いコンプリートカーと言えるでしょう。

 そして、これでも物足りないというユーザーに向けては、さらなる架装が可能なメーカーオプションとして、17インチのホイールタイヤセットや、スポーツブレーキパッド&シュー、レカロシートにビルシュタイン製サスペンションフルセットなども用意され、ディーラーオプションとしてはハイレスポンスマフラーなども設定されました。

※ ※ ※

 今見ても非常に魅力的であるカローラアクシオ “GT” TRDターボですから、中古車で見つけたら即買いしたいと思っている人もいるかもしれません。しかし、ひとつ注意があります。

 実はこのモデルは、「架装メーカーレスオプション」なる「TRD Sportsセット」というパッケージオプションが存在しており、こちらを選ぶとターボキットを含むパワートレイン系の架装装備がすべてレスとなるのです。

 つまり、見た目だけスポーティにしたいというユーザーに向けた仕様として、エンジンはベース車と同じ1.5リッターNAエンジンとなり、“GT” TRDターボのフロントグリルに備わる「TRD Turbo」というエンブレムが「TRD Sportivo」に差し替えられ、リアの「GT」エンブレムがない車両も存在します。

 見た目はほぼ“GT” TRDターボなのですが、スポーティな走りを期待して購入したら実は「ノンターボだった…」なんてこともあり得るので、中古車を狙う際はエンジンルームもチェックして、ターボ化されているかどうかを確認してから購入したほうが良いでしょう。

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Writer: 小鮒康一

1979年5月22日生まれ、群馬県出身。某大手自動車関連企業を退社後になりゆきでフリーランスライターに転向という異色の経歴の持ち主。中古車販売店に勤務していた経験も活かし、国産旧車を中心にマニアックな視点での記事を得意とする。現行車へのチェックも欠かさず活動中。

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