「車検切れで交通事故」どうなる? 車検と自賠責の両方に注意! どんな罰則となるのか
交通事故の補償はどうなる? 自賠責の補償対象とは
ここで気になるのは、交通事故の補償がどのようにされるかという点です。
自賠責保険はケガや死亡などの人身事故による補償をおこなう保険であり、物損事故は対象になりません。
つまり自賠責保険切れの状態で事故をして相手にケガをさせた場合、本来自賠責保険でカバーされる部分の補償はドライバー自身で負担する必要があります。
自賠責保険金の支払い限度額は傷害(ケガ)の場合で120万円、死亡の場合で3000万円などと決められており、事故の程度によってはドライバーの負担額も高額になることが想定されます。

これに対し「自賠責保険が切れていても任意保険でカバーできるのでは?」という疑問も聞かれます。
しかし、任意保険はあくまで自賠責保険でまかなえない部分をカバーするものであるため、自賠責保険の補償を超える部分しか支払われません。
仮にケガをした被害者の治療費が300万円であれば、自賠責保険分の120万円をドライバーが自己負担し、残りの180万円を任意保険から支払うことになるでしょう。
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クルマの車検切れ、自賠責保険切れを防止するためには車検証や自賠責保険証明書を点検したり、フロントガラスの車検ステッカーを定期的に確認することが大切です。
また、過去に車検を受けた自動車整備業者から車検の更新通知が届くケースもあるため、郵便物のチェックや住所変更を忘れずにしておきましょう。
Writer: 元警察官はる
2022年4月からウェブライターとして活動を開始。元警察官の経歴を活かし、ニュースで話題となっている交通事件や交通違反、運転免許制度に関する解説など、法律・安全分野の記事を中心に執筆しています。難しい法律や制度をやさしく伝え、読者にとって分かりやすい記事の執筆を心がけています。











