なぜラリージャパンで韓国チームが本気? まもなく日本上陸から2年の「ヒョンデ」 WRC日本大会参戦への想いとは
2023年のFIA世界ラリー選手権最終戦となるラリージャパンに望むヒョンデチームは、どのような想いで参加しているのでしょうか。
ファンの獲得を目指すために積極的にアピール
2023年11月16日から、愛知県・岐阜県を舞台にFIA世界ラリー選手権(WRC)2023年シーズン最終戦となる「ラリージャパン」が開催されています。
参加チームには昨年日本への再進出を果たしたヒョンデも参加しています。今大会では、豊田スタジアムに大型ブースも出展するなど注目の存在ですが、どのような想いでラリージャパンに参加しているのでしょうか。
ヒョンデは1967年に設立した韓国最大の自動車メーカーです。日本においては2001年に(当時はヒュンダイとして)参入したものの、2009年に一度撤退した経緯があります。
しかし2022年2月には、正式に日本市場への再参入を発表しました。
現在、電動SUV「アイオニック5」とFCEV(燃料電池)SUV「ネッソ」に加え、2023年11月1日にコンパクト電動SUVのニューモデル「コナ」を発売しています。
そんなヒョンデですが、昨年同様に今回もラリージャパンに参戦。昨年では同大会で1・2位のフィニッシュを迎えており、今年も注目の存在です。
開催地の豊田スタジアムでは、2015年に立ち上げたスポーツブランド「N」の電動スポーツカー「アイオニック5 N」をはじめ大々的にブース出展を行うなど、意欲的に展開しています。
一方、再参入からまだ日も浅い状態であるともいえますが、今回のラリージャパンではヒョンデとしてどのような想いで参戦しているのでしょうか。
ラリージャパンに合わせて来日した、ヒョンデのNブランド副社長パク・ジュン氏は以下のように話します。
「私たちは一度、日本市場で失敗した経験がありますが、電動化が進むなど、クルマを取り巻く状況は大きく変化しており、ヒョンデのテクノロジーがより良いものと進化したことを確信しています。
しかし、現在日本のユーザーはヒョンデのブランドイメージにあまり持っておらず、十分に知ってもらえていません。
今回、進化した技術や製品でもって、ヒョンデのイメージをポジティブに捉えてもらいたいと考えています。
その進化の違いを見てもらうためには、日本の市場においてはノーマルのクルマよりも競技で結果として残したり、アイオニック5Nのような情熱的なモデルを示す必要があると考えています」
なかでもNブランドは、WRCをはじめツーリングカーレースやニュルブルクリンク24時間耐久レースなどで活躍。
こうした経験や技術が、市販車の開発にも活かされているといいます。
今回のラリージャパンにおいても、競技で勝利することはもちろん、Nブランドをアピールすることで新規のファンを獲得し、ブランドの知名度上昇やイメージアップを図ることを強く意識しているようです。
またヒョンデチームのシリル・アビデブール監督は次のように話します。
「ラリーを通してヒョンデをさらに知ってもらうことがとても重要だと思っていますし、その責任感も感じています。
ヒョンデは大きく変わりつつあるブランドで、素晴らしいクルマも多く作っていますが、ラリーのようなモータースポーツが、そうした商品を知ってもらういいプラットフォームだと思っています。
今回もヒョンデの存在感を示すために、勝利することを目指しています」
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11月16日の競技1日目では、豊田スタジアムで開催されたSS1にて、ヒョンデのティエリー・ヌービル/マルティン・ウィダグ組が1位、エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム組が2位となるなど、すでにヒョンデチームは優勢となっています。
残る競技についても期待が高まるとともに、ヒョンデのブランドイメージ向上となるか、目が離せません。
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