トヨタ「センチュリー」は、主に専属の運転手がオーナーや客を後席に乗せて送迎することを想定して開発された高級セダンですが、これをスポーティな見た目に仕立てた「センチュリーGRMN」が存在します。SNSではこの意外なモデルに対し、どのような反響が寄せられているでしょうか。

　セダンタイプの3代目センチュリーは、東京モーターショー2017の会場で初公開され、2018年6月に発売されましたが、それからほどなくして予告なしに登場したのが「センチュリーGRMN」です。

　GRMNは、モータースポーツのDNAを色濃く受け継ぐトヨタのスポーツブランド「GR」シリーズの一つ。専用アイテムを数多く盛り込み、エンジンからボディまで細部にわたり極めて高いレベルのチューニングを施しています。

　このように最上級セダンのセンチュリーとスポーツブランドのGRMNは対照的な位置にあるように思えますが、トヨタはセンチュリーGRMNを作成する際、センチュリーを「誰もが気持ちいいと感じる走り」を追求し、至高のスポーツサルーンとして仕立てました。

　生粋のクルマ好きとして知られるトヨタの豊田章男会長（当時社長）の発案で生まれたといわれ、正月の箱根駅伝でサポートカーとして走っていたのをテレビ中継などを通して見た人もいるかもしれません。

　センチュリーGRMNは、ハニカム状のフロントグリル、赤いストライプが入ったフロントスポイラー・サイドスカート・リヤバンパースポイラー、トランクスポイラーといった専用装備を採用。タイヤは標準仕様の225/55R18から245/45R19へとサイズアップし、BBS製の鍛造ホイールを装着しています。

　パワートレインは、5リッターV型8気筒エンジンとモーターの組み合わせで大きな変更はありません。

　当初は白塗りモデル1台だけでしたが、東京オートサロン2019で黒塗りモデルが仲間入り。そしてさらに2023年9月6日、新型センチュリーが発表された時には参考としてGRMN仕様の新モデルも展示され、大きな注目を集めました。

　トヨタは、今のところこれらセンチュリーGRMNの市販予定はないといいますが、新型センチュリーについては、ユーザーの要望に応じたカスタマイズに今後対応するとし、一定の希望を残しています。

　SNSでは、このセンチュリーGRMNに対し「こうなったら、センチュリースポーツを作るしかないね」、「発売されたところで買えはしないけど、運転してみたい」「マジでカッコ良いんだよな」「また箱根駅伝で見せてほしいですね!!」といった投稿もありました。