6MTも設定! ホンダの3ドア「斬新スポーツカー」がカッコいい!「ド迫力デザイン」採用した先進的すぎる“個性派”クーペの凄さとは

第1回「ジャパンモビリティショー2023」でホンダは、ハイブリッドシステムを搭載したスポーツカーのコンセプトモデルを世界初公開しました。会場で同車を見た人からは、ホンダが過去に販売していたハイブリッドスポーツカー「CR-Z」を思い出すという声も聞こえます。一体どのようなクルマだったのでしょうか。

新時代の「スポーツカー」を先駆けた挑戦的モデル

 2023年10月25日から開催された第1回「ジャパンモビリティショー2023(JMS2023)」で、ホンダは新型コンセプトカー「プレリュード コンセプト」を世界初公開しました。
 
 同車は、本格的な電動化時代へ向けたハイブリッドシステムを搭載しつつ、滑らかなクーペフォルムを持つスポーツカーだといいます。
 
 ハイブリッドカーというとエコカーやファミリーカーというイメージが強いものですが、実はホンダは過去にもプレリュードコンセプト同様に、ハイブリッドシステムを搭載したクーペタイプのスポーツカーを販売していました。

ホンダ「CR-Z」
ホンダ「CR-Z」

 そのクルマが2010年に登場した「CR-Z」です。

 1.5リッターのi-VTECエンジンと、「IMA」というホンダ独自のハイブリッドシステムを組み合わせたユニットを搭載し、6速MTモデルは114馬力、CVTモデルは113馬力を発揮。

 一般的なガソリンエンジンのスポーツカーと比べると低出力にも思えますが、これはアメリカの規制に対応するためで、その一方で低速時のトルクは十分に確保され、スムーズな加速と高い燃費性能を両立したモデルでした。

 また、ホンダでは初の試みとして「SPORT」「NORMAL」「ECON」の3つの走行モードを選択できるドライブシステムを採用しているほか、ハイブリッドカーとしては現在でも珍しい6速MTを設定している点もCR-Zならではの魅力。さらにCVT車にはパドルシフトも標準で装備しており、ドライバーが心ゆくまで走りを楽しめる演出が数多く搭載されていました。

 CR-Zのデザインは、かつて一世を風靡したホンダのライトウエイトスポーツカー「CR-X」を彷彿とさせる3ドアハッチバック式のクーペフォルムで、このコンパクトかつ高剛性なボディは1130kgと軽量に設計されており、軽快なドライビングの実現にも貢献します。

 ちなみに、CR-Zという名前は、「Compact Renaissance Zero(コンパクト ルネッサンス ゼロ)」の略で、“新しいコンパクトカーを生み出すために原点に立ち戻って挑戦する”というホンダの熱い決意が込められた車名です。

 そんなCR-Zは、ハイブリッドシステムを搭載しMTも組み合わせられる新時代のスポーツカーとして高い期待を集め、2010年の発売開始から1カ月で1万台の受注を達成。

 また同年には、「高い走行性能と走る楽しさが楽しめるハイブリッドカー」として「第31回日本カー・オブ・ザ・イヤー」を受賞するなど、高い評価を獲得していました。

 順風満々に思えたCR-Zの販売駆け出しでしたが、その一方で実際に乗車したユーザーからは「パワー不足」との声が次第に多く聞こえるようになり、徐々に販売台数は低下します。

 2012年にはパフォーマンス向上のために大規模なマイナーチェンジが敢行され、より迫力のあるエクステリアデザインの採用とともに最高出力がアップしましたが、その値は約6馬力ほどと評判を覆すほどではなかったこともあり、販売台数が上向くことなく2017年に販売を終了しました。

 CR-Zは1代のみと残念ながら短命に終わったものの、販売開始から終了まで合計約4万台を販売しており、「エコ」と「スポーティな走り」を両立したハイブリッドスポーツカーの可能性を示したという意味においては、一定の成功をつかんだチャレンジングなモデルと言えるでしょう。

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ホンダがジャパンモビリティショー2023で世界初公開した「プレリュード コンセプト」
ホンダがジャパンモビリティショー2023で世界初公開した「プレリュード コンセプト」

 JMS2023でホンダが世界初公開したプレリュード コンセプトを見た人の感想として、「CR-Zを思い出した」という声も実際に少なくありません。

 プレリュード コンセプトは、ホンダのスポーツマインドを体現し“操る喜び”を将来に継承するモデルとして、2020年代半ばの発売を目指すとホンダはいいます。

 ホンダならではのスポーティな操作性と走りの気持ちよさを楽しめるHVスポーツカーの復活に、今から期待せずにはいられません。

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