トヨタが「新型モデル」を2台、世界初公開! 斬新ハンドル採用のスポーツ&SUVが凄い! ついに明かされた次世代モデルの特徴とは
もうひとつはSUV! 未来感ある「FT-3e」とはどんなクルマ?
一方、FT-3eは前述の基本コンポーネントを活用したSUVです。
次世代BEVの中で「より広く」を活かし居住性能をより引き出すパッケージが特徴となっています。
ボディサイズは全長4860mm×全幅1955mm×全高1595mm、ホイールベース3000mmの5人乗り。
エクステリアはFT-Seと対照的で、立体を構成する面や線を極力シンプルにしたデザインが特徴です。
サイドにバッテリー残量や車内温度、車内の空気の質などを表示するデジタルサイネージなどで先進感を表現していますが、個人的には先進性がありながらも、どこか温かみがあるデザインに感じました。
今回、インテリアはエクステリアモックなので拝見できませんでしたが、フルデジタルメーター、ステアバイワイヤ式の異形ステアリング、サテライトスイッチの進化版である手元デジタルディスプレイで構成される「デジタライズド・インテリジェント・コクピット」を採用しているのは次世代BEVの共通点となるようです。
最大のポイントは居住性の高さで、BEVファクトリー・プレジデントの加藤武郎氏は「乗員はより低い位置に座っているので、全高は従来のSUV同等ですが天井が高くルーミーな空間に仕上がっています。
更にダッシュボード回りも低い上にシンプルな構成ですので、これまでのクルマにはない見晴らしの良さも特徴です」と教えてくれました。
メカニズムは基本コンポーネントはFT-Seと同じですが、SUVのキャラクターを考え、航続距離とパフォーマンス、オンオフをバランス良く備えた走りなど、よりオールラウンドな性能になっているはず。なおタイヤサイズはフロント255/45 R22、リア285/40 R22を履いています。
ただ、ギガキャスト採用の高剛性ボディ、新開発サスペンションなどによる素性の高さから、従来のSUVを大きくこえる走行性能が実現されているのは言うまでもないでしょう。
更に「嗜好に合わせた価値提供(クルマの性格を自在に可変)」や「エネルギーとデータの移動媒体としての利活用」など、クルマからモビリティに広がる世界への拡張性なども訴求しています。
しかし、筆者が気になるのは「FT-3e」のネーミングの「3」が何を意味するのかです。
単純に考えると「量産仕様はbZ3X?」ですが、それはSUVが元々持っているオン/オフの性能に加えて、もうひとつの特徴、つまりBEVの強みを加えて「3つの価値を持つクルマ」の意味だと予測しています。
これに加えて、すでに発表済みのランクル初となるモノコックボディ&BEVの「ランドクルーザーSe」、次世代BEVピックアップコンセプト「EPU」なども含めて、BEVでも多様性を重視したクルマを多数用意。
CBOのサイモン・ハンフリーズ氏は「BEVはマルチパスウェイの重要な選択肢」と語っていますが「トヨタはBEVも本気」がより明確になり始めているようです。
豊田氏は2021年12月のトヨタBEV戦略に関する説明会で「今までのトヨタのBEVには興味が無かったが、これからトヨタが創るBEVには興味がある」と語っていましたが、今回登場したモデルたちは、全てそのようなクルマに仕上がっているに違いないでしょう。
いや、そうでなければ世に出ないと思っています。
Writer: 山本シンヤ
自動車メーカー商品企画、チューニングメーカー開発を経て、自動車メディアの世界に転職。2013年に独立し、「造り手」と「使い手」の両方の想いを伝えるために「自動車研究家」を名乗って活動中。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。
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