ホンダ新型「N-BOX」ターボとノンターボどっちがイイ? “心地よさ”は想像以上! 最新軽ワゴンの実力は?
ホンダ「N-BOX」が全面刷新し、3代目モデルが発売されました。新型N-BOXには自然吸気エンジンとターボが設定されますが、両車はどのような違いがあるのでしょうか。
ホントに軽!? 驚愕の“心地いい走り”が楽しめる
2023年10月にホンダ「N-BOX」がフルモデルチェンジし、3代目が発売されました。
N-BOXといえば“日本一売れているクルマ”として確固たる地位を築いている「軽スーパーハイトワゴン」ですが、新型N-BOXを運転して感じたキーワードは「心地よいクルマ」でした。
まず発進から加速について、出力に余裕のあるターボはもちろんのこと、自然吸気エンジン(ノンターボ)でもスムーズで気持ちいい加速をするので心地いい。
「自然吸気なのにしっかり加速する」という感覚は先代N-BOX(2代目)でもライバルに対してリードするポイントのひとつでしたが、新型N-BOXはさらにその上の領域に到達したことに驚きます。
自然吸気モデルでもライバルに比べて動力性能にゆとりがあるように感じられる理由は、ライバルに比べてエンジン最大トルク(65Nm)と最高出力(58ps)の数字が勝っていることもありますが、それだけではありません。
CVTの制御を煮詰め、エンジン回転が高まった後に遅れて加速するような違和感を減らし、ダイレクトさを感じさせるような制御になっているからなのです。だから心地いい。
しかし、それ以上に驚いたのはハンドルを切り始めた直後の車体の反応です。一般的にこのクラス(軽スーパーハイトワゴン)はゆったりとした挙動とし、操作に対して車体が向きを変える動きに反応遅れがあるのは否めません。しかし新型N-BOXは、その反応遅れを軽減してスッと反応してくれるから運転していて心地いいのです。
この爽快感は、想像を超えたもの。筆者(自動車ライター工藤貴宏)は、新型N-BOXの運転において先代に対してもっとも進化した部分だと感じました。
ちょっとイメージしてください。食材を切るときに、切れ味の悪い包丁からスパッと切れる包丁に持ち替えたら、どれだけ気持ちいいことか。先代型と比べると、新型N-BOXのハンドル操作に対する反応は、心地よさがそのくらい違うのです。
ハンドル操作に対する反応遅れのない挙動は、一般的に車体剛性向上などが効きます。新型N-BOXでも車体剛性の最適化とサスペンションのチューニングを施し、そのうえで、新たに導入されたハンドルを切る早さを正確に検知してフィードバックするパワーステアリング制御なども効いているといいます。
ところで、新型N-BOXのエンジンは従来同様に自然吸気とターボの2タイプがありますが、両者はどのくらい運転感覚が違うのでしょうか。
正直なところ、強い加速をすることなく、アクセルを踏み込まず街中をゆっくり走る程度では自然吸気エンジンでも不足はありません。
しかし、速度レンジが上がり強い加速が求められるバイパスや高速道路への合流などではゆとりのあるターボエンジンだと理想の加速に近づくので安心感が高まります。
だから自然吸気エンジンの実力がライバルや従来モデル以上に高まった新型ですが、筆者としては高速道路を走る機会が頻繁にある人はもちろん、流れの速いバイパスを活用する人もターボエンジンをオススメします。
自然吸気エンジン車よりも乗りやすくて心地よく、しかも運転が疲れないことを実感できるでしょう。
ただし、新型でターボエンジンを搭載するのは「N-BOXカスタム」のみで、カスタムではない標準タイプからターボエンジン搭載車が消えてしまいました。
試乗の印象も心地いい新型N-BOXですが、そこだけは悩ましいところです。
Writer: 工藤貴宏
1976年長野県生まれ。自動車雑誌編集部や編集プロダクションを経てフリーの自動車ライターとして独立。新車紹介、使い勝手やバイヤーズガイドを中心に雑誌やWEBに寄稿している。執筆で心掛けているのは「そのクルマは誰を幸せにするのか?」だ。現在の愛車はマツダ CX-60/ホンダ S660。
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