ホンダ「N-BOX」が6年ぶりに全面刷新! 新型登場の一方で「先代型」も売れ続けている!? 新旧を選ぶ「購入者の基準」とは
2023年10月5日、ホンダは3代目となる新型「N-BOX」を発表しました。8月からは先行予約も始まっていますが、それでもまだ先代型(2代目)を選ぶ人も少なくないといいます。正式発表直前の10月初旬、ホンダ販売店で話を聞きました。
「N-BOX」購入希望者が「新旧」で悩むポイント
広い室内空間と充実した装備、そして高い質感を持ち合わせているホンダの軽スーパーハイトワゴン「N-BOX」は、今や日本で最も売れる車種です。
2023年8月3日には3代目となる新型が先行公開されるとともに、販売店では事前予約もスタート。そしていよいよ10月5日には、新型N-BOXが正式発表されました。
そんなN-BOXですが、実はいまだに2代目モデルが売れ続け、今でも軽自動車の販売台数ランキングのトップを独走しているのです。どういうことでしょうか。
全国軽自動車協会連合会(全軽自協)調べの2023年8月度新車販売確報では、第1位に「N-BOX」がランクインしています。これは純粋に先代型の2代目N-BOXの数値となります。
しかも新型の登場が正式にアナウンスされ、ディーラーでも予約受付がスタートした8月以降も、その勢いはそこまで落ちていないんだとか。果たしてこれはどういうことなのでしょうか。
新型N-BOX正式発売目前の2023年10月初旬、首都圏のホンダディーラーに話を聞いてみました。
新型(3代目N-BOX)の発表以降は、新型への問い合わせが増えている一方で、先代型(2代目N-BOX)の商談や契約も変わらず行われているとのこと。
中には新型を検討してきたユーザーが、先代型を契約するというケースも珍しくないといいます。
これについて販売店スタッフA氏は、価格面の条件が影響していることが最大の要因と話します。
もともと軽自動車の中でも充実した装備を持つN-BOXは、比較的高価格帯の車両となっていますが、新型は先代型よりも価格がさらに上昇傾向にあります。
それに加えて先代型はモデル末期の在庫車ということもあり、価格面でも融通が利きやすいといいます。
同等グレードで新旧のN-BOXを比較検討すると数十万円も安くなるケースもあり、あえて2代目N-BOXをチョイスするケースが増えているとのこと。
もちろん価格差だけでなく、すでに2代目N-BOX自体の完成度がかなり高く、十分な装備や機能を有している点も挙げられると販売店スタッフA氏は指摘します。
新型も細かな部分で着実に進化しているものの、コストメリットに敏感な軽自動車ユーザーは、見た目もキープコンセプトな新型よりも、買い得感の強い先代型を選ぶ率が高くなっているのだと、販売店スタッフA氏はいいます。
ここには、新型の正式発売までに抱えている在庫車をさばきたいという販売会社の思惑ももちろんありますが、少しでも安く買いたいユーザーとの利害関係がマッチした結果ともいえるでしょう。
とはいえ、一方では新型N-BOXも順調に予約注文を伸ばしているといいます。
特に先代型2代目N-BOXが登場した直後の2017年から2018年頃に購入したユーザーなどは、待望のフルモデルチェンジということで、乗り換える人も少なくないとのことです。
ただ年輩のユーザーなど、カスタムの派手さを敬遠する層からは、先代型には設定されていた標準モデルのターボエンジン車が新型で消滅してしまったことについて不満の声も出ているともいいます。
販売店としては、せっかく魅力的な新型「N-BOX ファッションスタイル」も設定され、標準モデルの魅力も高まったたのだから、ターボエンジン車も継続設定してほしかったというのが正直なところなんだとか。
このように現在のところ、新型N-BOX最大のライバルは先代型N-BOX、という状況にあるようです。
早くも新型に対する要望も多く出ているのは、さすが日本一売れている車種ともいえますが、メーカーとしても今後もユーザーの声を積極的に取り入れて、今後も新型N-BOXはさらに進化を続けていくことでしょう。
Writer: 小鮒康一
1979年5月22日生まれ、群馬県出身。某大手自動車関連企業を退社後になりゆきでフリーランスライターに転向という異色の経歴の持ち主。中古車販売店に勤務していた経験も活かし、国産旧車を中心にマニアックな視点での記事を得意とする。現行車へのチェックも欠かさず活動中。
実はNBOX発表の日とは知らずディラ-訪ねた買う気はないのだが、本文に有るように旧型も売れてるという記事内容、私は納得。