めちゃカッコいい「大きいホイール」! 大径化で「失うもの」も!? 車カスタムの定番「インチアップ」のメリット・デメリットとは

メーカーも想定外のインチアップは思わぬ事態になることも

 もちろん自動車メーカーでは十分な共振対策をしています。

 例えば新型プリウスや新型クラウンシリーズのように、標準装着で超大径ホイールを履いても大きな問題がおきないよう、念入りにセッティングされています。

トヨタ「クラウン」(クラウンクロスオーバー)に純正採用される21インチアルミホイールには走行中のノイズを低減する「ノイズリダクション」機能も備わっています
トヨタ「クラウン」(クラウンクロスオーバー)に純正採用される21インチアルミホイールには走行中のノイズを低減する「ノイズリダクション」機能も備わっています

 しかしメーカーが想定していないサイズにインチアップすると、思わぬ異常現象が起きる可能性があると開発者は警告します。

 ホイールのインチアップは重量増加が著しく発生します。

 例えば17インチから19インチにすると、一輪で4kgほどの重量増加となります。

 軽量素材に置き換えたホイールもありますが、非常に高価なものばかりです。

 タイヤの体積が減るので、一見すると軽くなるように思えますが、タイヤ骨格を支えるカーカスやビード部といった重たい構造物は残っているので、ほとんど軽くなりません。

 開発者の経験上だと、マイナス0.5kg程度だろうと話します。

 見た目こそ格好良くなったとしても、不快な振動が増してドライブが苦痛になるのは本末転倒です。

 このようにホイールのインチアップはメリットばかりではなく、こと性能においては、失うものも多いといえます。

※ ※ ※

 加工のしやすいアルミホイールは、スポークデザインをつくり込んだり、コンケイブ(深溝)にしたりと、ホイールデザインの自由度が非常に広いことが特徴です。

 インチアップをすることはすなわち悪、という訳ではありません。

 しかしできれば、自動車メーカーがそのモデルの特性に合わせてラインアップする純正ホイールのバリエーションから選ぶことをお薦めします。

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