トヨタが全長5m超えの新型「クラウン」発売へ なぜ「正統派セダン」投入される? 揺るがない立ち位置とは
2023年秋に発売を予定しているトヨタ新型「クラウンセダン」ですが、セダンが不遇の時代と言われる中でなぜあえて登場するのでしょうか。そこにはクラウンならではの理由が考えられます。
流行り廃りとは関係のない位置にいるクラウンセダン
まもなくトヨタ新型「クラウンセダン」が登場します。
セダンにとっては不遇の時代と言える現代において、新型クラウンセダンはどういった需要があるのでしょうか。

2023年秋にも登場する予定のクラウンセダン。
2022年7月に世界初公開されて以降、徐々にその詳細が明らかになってきました。
現在では内外装のデザインやボディサイズに加えて、パワートレインにはHEVとFCEVが採用されることも判明しています。
クラウンセダンは、クロスオーバーSUVを中心とする新たなモデル群として生まれ変わった新生クラウンシリーズのなかで、歴代の面影を残す唯一の存在です。
トヨタ自身、クラウンセダンを「正統派セダン」と称しているように、そこには多くのユーザーがイメージするとおりの「セダンらしさ」があります。
一方、現在はセダンにとって不遇の時代です。
多くのラインナップを有するトヨタでさえ、国内で販売するセダンは「センチュリー(セダン)」と「カローラ」などごくわずかであり、販売台数に占める割合は極めて低いのが実情です。
ちなみに、トヨタの公式サイトでは「プリウス」もセダンにカテゴライズされていますが、ファストバックスタイルのプリウスは、多くのユーザーがイメージするセダンとはやや異なります。
実際、SUVやミニバンが台頭している現代では、セダンを選ばなければならない理由は薄れつつあるのも事実です。
しかし、クラウンのセダンに限って言えば、そうした流行り廃りを超えたニーズが存在しています。
特に「フォーマルさ」が求められる場面では、やはりクラウンのセダンが最適とされるケースが多くあります。
たとえば、近年では政府の要人や大企業の役員などのVIPの移動にトヨタ「アルファード」のような高級ミニバンが使用されるケースも増えています。
しかし、式典への参列だったり、あるいはお客様をお迎えにあがったりする際には、やはりセダンが重宝されるようです。
また、VIPのなかにはミニバンやSUVを好まない層も一定数存在するといい、そうした意味でもセダンでなければならないケースは少なくないようです。
そうした視点で見たとき、センチュリー(セダン)はあまりに別格であり、カローラなどではあまりに役不足です。
フォーマルさをクルマに求めた際、ボディサイズや機能といったハードウェアはもちろん、そのクルマの持つ歴史やブランドといったソフトウェアの部分も重要となります。
その点、クラウンには歴史に裏打ちされた確固たる地位があり、どんな場面でも役不足となることはありません。
そういった意味では、「クラウンサイズのセダン」が必要なのではなく、あくまで「クラウンのセダン」でなければならなかったのだと言えます。
























































































