予想20億円!? 32台だけ製造されたフェラーリ「伝説の爆速モデル」が競売に登場 その数奇な経歴とは
ル・マンにも出場した1964年製造のフェラーリ「250LM スカリエッティ」が、オークションに出品されました。落札には達しル・マンンでしたが、その予想価格は20億円ともいわれていました。
1964年製造の「250LM スカリエッティ」が出品
現地時間で2023年8月17日から19日にかけて、RMサザビーズ・モントレー・オークションが開催。そこに1964年製造の「250LM スカリエッティ」が出品されました。
フェラーリのクラシックカーで、すさまじい価格になることも珍しくないといいますが、今回は落札に至らず。しかし海外メディアでは取引価格が20億円と予想されていました。
エンツォ・フェラーリによって、戦後すぐに様々なレースへ参戦してきたフェラーリ。今回出品された「250LM スカリエッティ」も、そのようなフェラーリの活躍華やかなりしき頃である1964年に製造された車両です。
この250LMは、1963年のル・マン24時間レースで優勝したマシンであるフェラーリ「250P」をベースに開発されています。当時、フェラーリは250LMをル・マンのGTクラスに出場させるつもりでした。
しかし当時の大会運営委員会が「製造台数が不十分」という理由で、250LMへのホモロゲートを拒否。そのため、車両の生産はわずか32台で打ち切られてしまいました。
今回出品された車台番号「6053」は、その32台のうち22番目に生産された車体です。最初のオーナーはイギリス人ドライバーのGeorge Drummond氏。それからシルバーストーンのレースなどで複数回の優勝を果たした後、1966年のデイトナ24時間レースにも出場しました。
「6053」はその後、さらに別のドライバーに売却され、1968年のル・マン24時間レースに出場。この時はどうやら製造当時とは規定も変化していたため、出場が叶ったようです。
その後も何度か所有者を変えており、一時期は日本の三菱商事やコレクターが保有していた時もあったそうです。そして2018年に所有者が変わった際、「6053」号はフェラーリによるレストアを受けました。
そのため、車体状態は良好そのもの。またこの時に、フェラーリから本物の車両である認定を受けたそうです。
特筆すべきは、大きなクラッシュを経験しておらず、また、シャーシや車体番号が一致していて、エンジンなども揃っていることでしょう。半世紀以上前のレーシングカーという点を鑑みると、すばらしい状態と言って良いはずです。
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さほど多くないものの、250LMはいくつかオークションに出品されています。
参考までにRMサザビーズの出品車両を見ると、2013年に出品された個体が1430万ドル(約20億円)で落札されたのを皮切りに、だいたい13億円から25億円ほどで取引されています。
その点を踏まえると、今回の「250LM スカリエッティ」に今後20億円の価値が付いてもおかしくなさそうです。
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