「通りゃんせ」最近聞いた? 道路の「歌う信号」が絶滅寸前 数を減らしている背景は
横断歩道の信号が青になると同時に音楽が流れてくる「メロディ式信号機」が、大きく数を減らしています。どのような背景があるのでしょうか。
メロディを奏でる信号は、何のためにある?
横断歩道の信号が青になると同時に音楽が流れてくる「メロディ式信号機」が、大きく数を減らしています。どのような背景があるのでしょうか。
横断歩道を渡るとき、信号機から「通りゃんせ」の曲が流れてくることがあります。あるいは「夕焼小焼(夕焼け小焼け)」や「春の小川」を聞いたことがある人も多いでしょう。
こうした曲は多くの人が知る童謡や文部省唱歌が多く、以前には様々なものが使われていました。1975年当時では、全国で21曲に上ったといいます。例えば「赤とんぼ」や「お猿のかごや」のほか、動物園の前で“お馬の親子は仲良しこよし”の「おうま」が流れていた例もあります。
青信号で音楽が流れる信号機は「メロディ式信号機」といいます。
また、音が聞こえる信号機といえば、「ピヨピヨ」「カッコウ」と鳥の鳴き声を発する信号機もあります。これらはメロディ式に対して「擬音式信号機」といいますが、両者をあわせて「音響式信号機」と称します。
では、音響式信号機にはどのような役割があるのでしょうか。日本視覚障害者団体連合の担当者は次のように話します。
「音響信号機は視覚障がい者に青信号になったことを伝えるために存在します。また、視覚障がい者が信号を横断する際に危険なポイントとして、まっすぐ歩くことが難しいことが挙げられます。
そのため、音響信号機が音を出すことで、視覚障がい者にとって道標のような役割も果たします」
音響式信号機は、視覚障がい者など信号の色を認識しにくい人が、より安全に通行できることを目的にしています。
そのため、設置場所も目の不自由な人がよく利用するところが選ばれています。具体的には、視覚支援学校(盲学校)やリハビリテーションセンター、役所など公共施設を含む地域が優先されます。