13万キロ超えの「スバル車」が1100万円、なぜ? 新車価格を軽く超える416馬力仕様!? 謎マシンの正体とは
スバル「インプレッサ」は世界ラリー選手権(WRC)で華々しい活躍を見せていたこともあり、いまでも世界中にファンが多く存在します。そうしたなかで「とある特別仕様車」に魔改造を施したモデルが登場していました。
新車価格の約2倍…どんなスバル車なのか
世界ラリー選手権(WRC)での大活躍もあり、スバル「インプレッサ」は日本はもちろん海外でも高い人気を誇っています。
特に人気の高いイギリスでは、現地のための特別仕様車も存在しており、現在ではプレミア価格で販売されていました。
インプレッサが世界ラリー選手権(WRC)で華々しい活躍を見せていた1990年代後半、日本ではインプレッサをベースにしたさまざまな特別仕様車が登場していました。
しかし、そのほとんどは日本国内での販売に限定されており、海外のユーザーがそうしたモデルを手に入れることは容易なことではありませんでした。
一方、スバルと組んでWRCを戦っていたプロドライブが本拠を置くイギリスでは、インプレッサの特別仕様車が日本から多く輸入されていました。
そこで、スバルはプロドライブと協力し、イギリスのユーザーのための特別仕様車を開発しました。それが、2000年に登場した「P1」です。
「プロドライブ・ワン」を意味する名が与えられたP1は、日本仕様の2ドアボディをベースに、パワートレインから足回り、内外装にいたるまであらゆる部分に手を加えた1台です。
搭載される2リットルのターボチャージャー付き4気筒水平対向エンジンは、新開発のECUによって最高出力が280PSまで高められ、そこに5速MTが組み合わされます。
さらに、マクラーレン「F1」を手がけたピーター・スティーブンス氏がデザインしたフロントスポイラーやリアウィングによって、軽量化と空力性能の向上を両立しています。
その結果、P1は現在販売されている「WRX Sti」をもしのぐ圧巻の加速性能を持っていると言います。
P1は、イギリス専用の特別仕様車として1000台限定で発売されました。ちなみに、ボディカラーはすべて「ソニック・ブルー」となっています。
生産台数や販売地域が限定されていることから、中古車市場においてP1は非常に希少なモデルとなっています。
しかし、このほどイギリスの中古車販売店に1台のP1が登場し話題となっています。
イギリス南部のマールボローにある「VG PERFORMANCE CARS」では、走行距離がおよそ13万kmを超えるにもかかわらず、非常に状態の良いP1を販売しています。
限定1000台のうちの422号車というこの個体は、スバル車のチューナーとして知られるロジャー・クラーク・モータースポーツの鍛造エンジンが搭載されるなど、オリジナルのP1に比べてさらにパフォーマンスが高められています。
給排気系にも手が加えられたことでその最高出力は416馬力に達し、そこにクロスレシオ化された5速MTが組み合わされています。
足回りもより高性能なものへと換装されているほか、室内にはロールケージやカーボンファイバー製のバケットシートへと換装されるなど、ボディ剛性の強化や軽量化にも余念がありません。
そのままレースへと参戦できそうなこのP1は、5万9995ポンド(約1110万円)で販売されています。
P1の新車価格は3万1495ポンド(約580万円)であったことを考えると、およそ2倍へとその価値が増加しているようです。
※ ※ ※
インプレッサには、1997年のWRCで3連覇を果たしたマシンをロードカーとして再現した「22B STi Version」という特別仕様車も存在しています。
世界400台限定のこの特別仕様車は、インプレッサのなかでも最も価値のある1台として、近年では3000万円を超える価格で取引きされることもあるようです。
また、プロドライブは22B STi Versionをベースにしたコンプリートカー「P25」を2022年に発表しています。
25台限定というこのP25の価格は46万ポンド(約8460万円)であったことから、多くのユーザーを驚かせました。
それらと比べると比較的手の届きやすい価格となっているP1ですが、その完成度の高さからイギリスでは根強いファンが存在しており、今後さらに高騰していくことが予想されています。
コメント
本コメント欄は、記事に対して個々人の意見や考えを述べたり、ユーザー同士での健全な意見交換を目的としております。マナーや法令・プライバシーに配慮をしコメントするようにお願いいたします。 なお、不適切な内容や表現であると判断した投稿は削除する場合がございます。