「MTじゃなきゃダメ…?」 トヨタ「ランクル70」が9年ぶり復活!オジサンVSワカモノで意見異なる!? MT論争の行方

「MTがー!」という人は中高年男性ばかり? なぜ?

 リサーチしていく内に浮き彫りになってきたのが、50代後半以降の中高年男性にある「MT至上主義」。

 かつてクルマユーザーの間には「ATは女性が乗るもの」という不文律のようなものが定着していました。

 加えて昭和時代には、「ATはMTよりも燃費が悪く、また加速も遅い」という概念が当たり前。

 当時はまさか、市場でのAT比率が99%を超えるとは思っていなかったでしょうし、ATの進化も予測できなかったと思います。

 そのため、未だに「MTのほうがパワー&トルクがある」と誤解しているユーザーも少なくないようです。

 しかし実際は、一部のATはトルコンの特性で発進、低速時はトルクが増幅されます。

 それ故に、オフロード4WDで悪路を走る時は、むしろATの方が有利な場合もあるのです。

日本での再々販が発表されたトヨタ「ランドクルーザー70」だが…今回はATのみとなる
日本での再々販が発表されたトヨタ「ランドクルーザー70」だが…今回はATのみとなる

 事実、スズキ「ジムニー」でハードなオフロードを走ると、MTがエンジンストールしてしまうような場所で、ATはトルコンの効果を十分に活かしてジワジワと走破してしまうというケースが多くあります。

 そもそも70系はトレーラーなどを牽引することを前提にしているため、トランスミッションがローギアードな設定。

 MTであったとしても、高速域まで一気に加速できるようなクルマでもありません。

 むしろ悪路でのイージードライブを考えたら、クリーブ現象も使えるATのほうが有利とも言えます。

 海外向けモデルは、トランスミッションの修理時の容易さ、PTO機構の必要性などを考えてMTが設定されています。

 しかし、日本のユーザーの使用実態を考えればATのみの設定は妥当なのではないでしょうか。

 ジムニーではユーザーの女性比率が50%を超えており、メーカーも予測してなかった新しいユーザー層が市場に参入してきています。

 ランクルも今回の新型モデルを見る限り、オールドファンやコアユーザーとはまったく違う新規ユーザー層が参入してくることる可能性は大きそうです。

新型ランドクルーザー70の姿を動画で見る

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Writer: 山崎友貴

自動車雑誌編集長を経て、フリーの編集者に転向。登山やクライミングなどアウトドアが専らの趣味で、アウトドア雑誌「フィールダー(笠倉出版社刊)」にて現在も連載中。昨今は車中泊にもハマっており、SUVとアウトドアの楽しさを広く伝えている。

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