なぜビッグモーターの販売車には「整備記録簿」「点検ステッカー」がない? 想像を絶する理由が判明!
クルマの生涯記録ともいえる大切な存在で査定にも影響する 記録簿が無い理由とは
なぜ、ビッグモーターの展示車両にはすべて記録簿も点検ステッカーもないのでしょうか。
筆者が現社員、元社員、元整備担当者、オークションから仕入れたクルマを清掃するクリーニング業者など様々な関係者に取材をしたところ、驚きの事実が判明しました。
ビッグモーターでは、点検整備記録簿は廃棄または販売車両には備えないことが普通だそうです。
点検ステッカーもすべて剥がすことがマストになっていました。
ビッグモーターでは、中古車を契約すると、納車までの間に「有料で」納車整備点検を行います。
費用としては5-7万円前後となり、内容としては法定点検である12か月点検に準ずるもので、12か月点検後にはビッグモーターで用意した新しい「点検整備記録簿」が納車時に新オーナーに渡されます。
また点検ステッカーは通常の納車整備点検では貼られることはなく、車検が絡んだ時にだけ12か月点検のステッカーが貼られるとのことでした。
ビッグモーターに在籍していた整備士は次のように話しています。
「ビッグモーターで販売されている車両は比較的新しいクルマが多いので、前オーナーの記録簿はほとんどの場合残っています。
わざわざ記録簿無しにしてしまうのは、12ヶ月点検同等の整備の手間を省くためです。
実際はすでに行われている点検を改めて行い、お客さんに数万円の納車整備費用を支払わせる為です」
一方で元社員は次のように話しています。
「12か月点検の有効期間が十分に残っていて点検の必要がないクルマをビッグモーターが行ったかの様に偽装するためです。
点検ステッカーも同様の理由です。
例えば有効期間が8か月も残っている点検ステッカーをそのまま貼っていると、お客さんから『なぜ十分に法定点検の有効期間が残っているのに、5万も6万もお金出して整備するんだ!』 などとクレームをつけられる要因になりかねませんから」

ちなみにビッグモーターの敷地内に駐車しているクルマの中には点検ステッカーを貼ったクルマも存在します。この理由についてビッグモーターの元整備責任者は次のように話しています。
「お客さんに貸す代車には点検ステッカーが貼ってあります。
貼ってないと環境整備点検で減点されます。
もちろん12か月点検は実際にしません。自社の分は金にならないからやりません。
環境整備点検の前日にステッカーがない代車に貼りまくっていましたね」
※ ※ ※
ユーザーから「いかに多くの金を(文句を言われずに)とるか?」という悪知恵を働かせて得た結論が「記録簿は廃棄して点検ステッカーは剥がす」という行為に至ったわけです。
なお新車保証は継続できるのでしょうか。
とある自動車メーカーのお客様相談センターによれば、「有効期間が残っている保証書をオーナー自身がディーラー(正規販売店)にもっていって保証継承の手続きをすれば保証継承はできます」と言い、その場合には記録簿などは必要ないそうです。
Writer: 加藤久美子
山口県生まれ。学生時代は某トヨタディーラーで納車引取のバイトに明け暮れ運転技術と洗車技術を磨く。日刊自動車新聞社に入社後は自動車年鑑、輸入車ガイドブックなどの編集に携わる。その後フリーランスへ。公認チャイルドシート指導員として、車と子供の安全に関する啓発活動も行う。




























