トラックわらわら走る… 「産業道路」って一体どんな道? 片側1車線の例も!? 全国で「種類」「規模」も不揃いだった

片側1車線から制限速度70kmまで!規格もバラバラな産業道路

 トラックなどの貨物車両がメインで通行する目的の産業道路では、車線が多くて幅員も広い印象ですが決してそんなことはなく、片側1車線でごく一般的な道路も数多く存在します。

 例えば、埼玉県越谷市と八潮市を結ぶ県道155号では、片側1車線で県道に昇格する前から産業道路の名称が名付けられていました。

 ほかにも埼玉県には複数の産業道路がありますが、新座市から東京都にある「産業道路」と親しまれている区間は4km弱ほどですが、こちらも片側1車線の対面通行です。

 埼玉県では、もともとは農地や山林だったものを産業を誘致するために整備されたという意味合いもあったようです。 

 ちなみにどちらの産業道路の景観も工業団地が立ち並ぶ工業地域とは無縁で、小売店や飲食店が立ち並ぶ商業地域の生活道路といったイメージが強いです。

愛媛県今治市にある「産業道路」
愛媛県今治市にある「産業道路」

 かたや愛知県の東海市から知多市を結ぶ西知多産業道路は、信号のない自動車専用道路の区間があり、区間制限速度は70kmになっています。

 関東方面で産業道路といえば、東京都大田区と横浜市鶴見区を結ぶ東京都道・神奈川県道6号東京大師横浜線が有名です。

 東京都道・神奈川県道6号東京大師横浜線は、片側3車線あって大型車両の交通量も多いこともあり、京浜工業地帯のパイプ役としてなくてはならない存在になっています。

 さらに東京都道・神奈川県道6号東京大師横浜線付近には、「産業道路駅」という名前の駅が実在していました。
  
 現在は沿線地域の活性化を目的に、近隣で多摩川を渡る橋の名前に由来した「大師橋駅」に改名されていますが、地域の住民には産業道路のシンボルとして根付いていたのは間違いないでしょう。

※ ※ ※

 また、第2産業道路(さいたま菖蒲線) は名称こそ産業道路が使われていますが、渋滞緩和のためのバイパスとして利用されており、産業道路としての意味合いも変化しつつあります。

 定義はまちまちですが、それでも港湾や工業地域のバイパスを担う役割の産業道路が今後も親しまれていくことでしょう。

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