なぜ「ガソリン満タン」で勝手に給油が止まる? 給油口の奥で何が起こってる!? 意外すぎる仕組みとは
ガソリンスタンドで給油するとき、燃料が満タンになると自動で給油がストップします。一体どのような仕組みになっているのでしょうか。
給油ノズルの仕組みが意外すぎる
近年、「セルフ式ガソリンスタンド」が一般的になり、自分で給油したことがあるという人も多いのではないでしょうか。
そんなセルフ式ガソリンスタンドで燃料を入れるとき、クルマの給油口に給油ノズルを差し込み、レバーを握ると燃料が出てくる仕組みです。
その後、満タンになると給油が停止しますが、なぜ自動でストップするのでしょうか。
実は、給油ノズル先端下側に小さな穴が設けられており、これが自動停止に欠かせないものとなっているのです。
燃料を給油中に、その小さな穴から空気を吸い込んでいます。その空気を吸い込んでいる間はレバーを握れば燃料が出ていきます。
一方、満タンに近づいてきて、燃料がフィラーパイプ(給油口から燃料タンクまでの配管)へ上がってくるようになると、小さな穴から空気を吸えなくなります。そして、小さな穴まで燃料が到達し、空気が吸えなくなると、ノズル内のダイヤフラム(ゴム膜)が閉じて燃料が自動停止するというわけです。
この小さな穴をふさがない限り、設定した数量や料金の分だけ給油することも可能になります。
そんななか、本来満タンで自動停止するのに、「燃料が満タンでないのに途中でとまる」「なかなか満タンにできない」という話もよく聞きます。
これはどういった原因が考えられるのでしょうか。給油機を扱うトミナガに聞いてみました。
「満タンではないのに給油がストップしてしまう原因は、ノズルの不具合もあります。
先端ノズルはアルミになっていて、やはり経年劣化や使用頻度に応じてノズル内部・先端形状が摩耗してしまいますし、ノズルと同じく内部のチューブも摩耗して劣化します。
このような場合は見た目ではわかりにくく、ガソリンスタンドから依頼があって修理するとほとんどが直ります」
給油が途中でストップするケースとは逆に、満タンになっても自動停止せず、燃料があふれてしまうこともあります。この原因にはどのようなことがあるのでしょうか。
「やはり製品の劣化が考えられます。ガソリンスタンドは寒暖差が激しく、基本的に屋外での使用されるものなので、どうしても製品の経年劣化が発生します。
また、クルマ側の原因としては、燃料のエアの抜けが悪く満タンでもないのに燃料が上層部まで上がってくることが考えられます。これは軽自動車で起きることが多い印象です」(トミナガ 担当者)
軽自動車で起きやすいのは、車種によっては燃料給油パイプが細くてノズルの先端が入りにくい構造のクルマがあるからとのことです。
※ ※ ※
自動停止が作動しなかったときに、クルマを揺すってタンクのエアを抜いたり、ノズル先端の小さな穴を給油口の奥まで入れずに給油するといった方法をおこなう人もいるようですが、吹きこぼれなどの危険を伴います。
うまく給油できないなど困ったことがあったら、ガソリンスタンドのスタッフに聞いてみることをお勧めします。
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