まさかの4ドアセダン「BYDシール」23年末に発売!? 先行試乗で体感する良さは? 「乗り心地」をさらに良くするアイテムとは
2023年末に日本でも発売される「シール」の特徴は?
また、001やシールといった、日本ではまだ販売されていない中国ブランドのBEVに試乗できたことも大きな発見となりました。
今回試乗した001は出力536hpの全輪駆動モデルで、れっきとしたスポーツBEVになります。
加速感は申し分なく、また足回りも純正状態ですでに良いほうでしたが、テインのサスペンションに交換することで細かな揺れがより抑えられ、コーナリング時のハンドルさばきにおける鈍さも低減されたと感じました。
一方のシールは001よりもボディが小さいセダンで、こちらも今回試乗したモデルは全輪駆動、出力523hpで0-100km/h加速は3.8秒となります。
車両重量は2150kgですが、重さを感じさせない軽快な乗り味には驚かされました。
一般的な2トン超のBEVは高出力モーターでその重さを打ち消すも、どこか鈍重さを感じてしまうものがほとんどです。
対してシールはそんなことなく、意のままに操れる「軽量スポーツコンパクト」のような印象を受けました。
ただ、シールは価格帯が比較的下の車種となり、プレミアムBEVである001と比べるとどうしても違いを感じてしまいます。
「軽量」で「スポーティー」なのは良いことですが、それが行き過ぎると「不安定感」に変わってしまう部分もあるでしょう。
街乗りメインであれば「EnduraPro Plus」は乗員に快適な乗り味を提供します。
さらに、シールの持つスポーティ寄りの素性をもっと活かしたいのなら、「FLEX Z」や「EDFC5」を加えることで、運転する楽しさがより一層増幅すると感じました。

現在、中国におけるスポーツ車高調シェアの25%をテインが獲得しています。
2030年度には純正形状「EnduraPro」シリーズの対応車種を現在の850車種から3000車種へと拡大させる計画で、拡大する需要へしっかりと応えていくとのこと。
BEVやPHEV、FCEVといった「振動や乗り味に敏感になりやすい」車種も世界中で増えており、電動化の影響を受けにくい業種であるテインの今後はますます期待できそうです。
Writer: 中国車研究家 加藤ヒロト
下関生まれ、横浜在住。2017年に初めて訪中した際に中国車の面白さに感動、情報を集めるうちに自ら発信するようになる。現在は慶應義塾大学環境情報学部にて学ぶかたわら、雑誌やウェブへの寄稿のみならず、同人誌「中国自動車ガイドブック」も年2回ほど頒布する。愛車は98年式トヨタ カレン、86年式トヨタ カリーナED、そして並行輸入の13年式MG6 GT。

















