国内ではほとんど展開されていませんが、北米などの地域では全長5mを超える大型のクロスオーバーSUVが多く存在します。
　
　そのなかで、マツダ「CX-90」は2023年1月末に発表されたばかりのモデルで、日本にも同じプラットフォームを持つ兄弟車が投入される予定です。どのような特徴を持つのでしょうか。

　マツダの北米法人が2023年1月31日に世界初公開したCX-90は、3列シート・ワイドボディを持つSUVです。

　2021年10月にマツダが発表した「2022年以降のクロスオーバーSUV商品群の拡充計画」のうち、ラージ商品群として日本・欧州向けの「CX-60」「CX-80」と北米市場向けの「CX-70」とともに投入されることが明らかになったSUVで、フラッグシップモデルとして位置づけられています。

　ボディサイズは全長5100mm×全幅1971mm×全高1745mmで、ホイールベースは3120mmと、現在マツダが展開しているラインナップのなかで最大となり、かつマツダ史上においても最大のSUVとなります。

　エクステリアはマツダのデザインテーマである「魂動」に基づいたアグレッシブなプロポーションを持つ、華やかでラグジュアリーな印象です。

　インテリアも3列全席にナッパレザーやウッド、同系色のファブリックなど複数の素材を用い、外観同様に日本的美意識を感じさせる落ち着いた印象となっています。

　2列目は2人がけのキャプテンシート仕様と3人がけのベンチシート仕様を選択することができ、キャプテンシート仕様ではベンチレーション機能に加え、カップホルダー付きの大型アームレストが装備されるなど、豪華な仕上がりとなっています。

　また、3列目の居住性についても強く意識されており、3人がしっかりと座ることのできる大きさに加え、エアコンの専用吹き出し口を設けるなど、乗員全員が快適に移動できる環境を実現したといいます。

　パワートレインは、マツダの量産ガソリンエンジン史上最大となる340馬力・500Nmを発揮する3.3リッター直列6気筒ガソリンターボエンジン＋48Vバッテリーを組み合わせるマイルドハイブリッドモデルのほか、2.5リッター直列4気筒ガソリンエンジン搭載のプラグインハイブリッドモデル「e-SKYACTIV PHEV」も設定。トランスミッションは8速ATで、駆動方式は四輪駆動です。

　いずれのモデルも後輪駆動ベースの新世代アーキテクチャを採用しており、高い操縦安定性と優れた環境性能を実現しているといいます。

　また、マツダ「MX-5（日本名：ロードスター）」で初めて導入されたキネマティック・ポスチャー・コントロールも装備されており、高速コーナリング時に安定した姿勢を維持します。

　北米におけるCX-90の価格は3万9595ドル（約567万円）から5万9950ドル（約858万円）に設定されています。

　CX-90は国内への導入予定はありませんが、同じプラットフォームを持ち3列シートを装備するCX-80の投入が明言されており、こちらが国内では最も大きなボディを持つフラッグシップモデルとなると見られます。

　車名や基本的なパッケージング以外の情報については2023年8月上旬現在、一切明かされていませんが、新たな旗艦モデルとして走行性能やラグジュアリーなインテリアの採用など、どのようなモデルになるのか期待されています。