タクシー車内、会話不要? 乗務員が客に話しかけない「サイレンス車両」、試験運行中

タクシー乗務員の「会話」 その実態

 ほかのタクシー会社では、乗務員から客に話しかけることに対して何か指導をしているのでしょうか。神奈川、東京、埼玉でタクシー事業を展開する三和交通(横浜市港北区)は以下のように話します。

「もちろんその場の裁量にはなりますが、基本的には、乗務員からお客様に話しかけないよう指導しています。特に、宗教や野球の話など、主観が入るような話題はトラブルのもとになるため避けるよう伝えています」(三和交通)

 やはり三和交通でも、「乗務員に話しかけられて寝られなかった」といった声があるそうです。一方で、静かすぎることで逆に「怖い感じだった」という声も。「お客様が不愉快にならないよう、臨機応変に対応する必要がある」といいます。

 都タクシーの「サイレンス車両」については、「選択肢をつくるという点で面白い取り組みだと思います。特に若い人にはいいかもしれません。しかし、当社は地域密着で営業しており、長年ご用命いただいているお客様が大勢いらっしゃいます。そうしたお客様には愛想のよい対応が重要と考えています」と話します。

 タクシーの車内環境に対するニーズは、世代はもちろん、時間や場所によっても異なってくるのかもしれません。そのなかで快適な姿を探るべく導入された「サイレンス車両」について、都タクシーは「もう少し台数を増やし、よりデータを集めることも検討する」といいます。

【了】
提供:乗りものニュース

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