三菱「次期デリカ」の期待高まる!? 三菱新型「トライトン」登場! 「三菱らしさ」追い求めた方向性とは
“三菱らしい”次期「デリカ」の開発も想定
実はこれらのハードウェアはすべて三菱が自社開発したもので、アライアンスの活用は電子コンポーネント、運転支援装備といった部分のみとなっています。
加藤隆雄 代表執行役社長 兼 最高経営責任者は、現地で以下のように話してくれました。
「これ(自社開発ハードウェアを採用したこと)は三菱らしい独自性をもったクルマでないと、ファンの支持を得られないという考えを持ったからなのです」
先述した通り、アウトランダーPHEVはアライアンスのプラットフォームを使いつつもPHEVシステムや駆動力制御など、三菱独自の要素を可能な限り注ぎ込み、結果としてその仕上がりが高い評価を得ることとなりました。
5月に発売されたばかりの軽スーパーハイトワゴン「デリカミニ」も同様です。元々の「eKクロス スペース」と異なり、デザインだけでなく走りの面でも独自の哲学を盛り込むことで、これが三菱のクルマだと胸を張れるクルマになりました。
結果としてそんな自信がユーザーにも伝わったのだといっていいでしょう。新型トライトンの開発姿勢も、こうした流れの延長線上にあることは間違いありません。
三菱にとっては屋台骨のひとつである大事な1台であるトライトンは失敗が許されないというだけでなく、ここでブランドの味を表現できていなくてどうするという思いもあったはずです。
「そういうほうが会社としても得だし、お客様にも喜んでもらえるんじゃないかなということですよね」(加藤社長)
もちろん、単独でしっかり台数を稼いで利益を出していかなければならないため、プレッシャーと背中合わせの挑戦であることは間違いありません。
その意味では将来の展開も気になります。たとえばこのフレーム付きのプラットフォームやエンジンは他車種にも使われたりするのでしょうか。
この質問には、長岡宏 代表執行役副社長が答えてくれました。
「今でも、トライトンのフレームを使ってASEANを中心に『パジェロスポーツ』というクルマを出したりしています。
当然、新型をベースにこうしたクルマをということを意識して作っているのは事実。ピックアップトラックの次にSUVも作れるかたちで刷新してきました」
同じタイのレムチャバン工場で生産され、日本には輸出されていないものの、やはり世界各地で販売されているパジェロスポーツの新型も視野に入っていることは想像通りでした。
きっと遠からず同じコンポーネンツを使った新型が投入されるはずです。さらに、次の言葉には正直、びっくりしてしまいました。
「デリカも、このフレームベースで作れないか検討したんですけれども、やはりとてつもない全高になるので、デリカは別のやり方を考えています」(長岡副社長)
デリカD:5の後継車についても、この車体で一旦は検討されたというのです。もし実現していれば、フレーム構造とモノコックを融合させた「デリカスペースギア」の復活となっていました。
いずれにせよ三菱が「らしさ」を強く意識したクルマ作りに立ち返り、内側では様々なチャレンジを行なっていることは間違いないようです。
更にいえば、現行型は2007年デビューというデリカの“次”が何らか検討されていることも示唆されています。
いくら「三菱らしさ」といっても、それがユーザーの望みと異なるものならば、こだわる意味はありません。
ですが三菱の場合、ファンがそれを待っていることはどうやら間違いがなさそうです。三菱自身もそれを改めて認識したということでしょう。
三菱のクルマ作りが、どうやらまた面白いフェイズに入ってきたといっていいかもしれません。まずは2024年初頭にもといわれる新型トライトンの日本再上陸、そしてそれに続く展開が楽しみになってきました。
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