新車で買えた軽「クラシックカー」!? いまだ根強いファンも! 元祖「レトロ顔」軽ワンボックス「サンバークラシック」とは
1990年代に一大ブームを呼んだ「レトロカー」スタイルの元祖といえるのがスバルの軽ワンボックス「サンバーディアス クラシック」です。今なおファンの多いレトロ顔の軽について紹介します。
5代目サンバーに初設定された「サンバーディアス クラシック」
1990年代に流行した「レトロブーム」では、既存モデルをレトロ調に変更したクルマが数多く誕生しました。その先駆けとなったのがスバル「サンバーディアス クラシック」です。
レトロ調が採用された理由と、ヒットした理由を振り返ります。
サンバーディアスは、スバルの軽商用車「サンバー」の5代目に存在した1BOXバンです。
4代目サンバーでは、商用バンのなかでも乗用に向いた仕様が「サンバートライ」という名称を得ており、1993年に5代目がデビューした際も、バンはトライの名を引き継ぎました。
さらにハイルーフや快適装備、左右独立式リアシートを備えた上位版「サンバー660トライ ディアス」も設定。グレードによっては2トーンカラーや、屋根の多くをガラスサンルーフに置き換えた「サンサンルーフ」も設定され、荷物の運搬よりもレジャー用の乗用車として軽1BOXバンを使いたいユーザーに歓迎されました。
このサンバー660トライ ディアスは、1991年に車名を「サンバーディアス」に変更。さらに1993年、フロントパネルを変更して丸型ヘッドライト・縦に長い馬蹄型のクラシックなグリルが与えられた「サンバーディアス クラシック」が登場しました。
サンバーディアス クラシックは、単に顔をレトロな表情にしただけではなく、細部まで凝った造り込みが特徴です。
ボディカラーには、アーモンドグリーンもしくはエンジ色とアイボリーの2トーンを用意。ホイールもアイボリーに塗られたスチール製を装着していました。
ドアミラーにはメッキが施され、リアクォーターウインドゥをパネルに置き換えてクラシカルなロゴを配置。
メーターもクラシックなデザインに変更され、統一した雰囲気づくりが隅々までなされていました。
実はこのモデル、長崎県佐世保市のテーマパーク「ハウステンボス」内で使用するための特装車として生まれています。
ハウステンボスの構内で使うクルマを古い欧風の街並みに似合わせるため、レトロなデザインが付与されたのでした。
その後、1993年の東京モーターショーに参考出品したところ評判が良く、市販化されたという経緯を持ちます。
こうして1993年秋に発売を開始したサンバーディアス クラシックは、とかく無表情なスタイルになりがちなワンボックス商用車のなかで大きな存在感を示し、ヒットを飛ばすことに成功。
当時のカタログに「はじめてなのに懐かしい」「懐かしいのにあたらしい」(原文ママ)とうたわれていた通り、1990年代の四角いボディにレトロなマスクという姿はとても個性的に映りました。
そして、おしゃれな街のおしゃれな店に似合う配送車などで人気を博していったのです。
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