えっ…9kmも!? 各地にある「謎の直線道路」は何のため? 地中には水が流れる? 「水道道路」とは
道路なのに「水道」? 謎の「水道道路」とは?
実は高円寺砧浄水場線は元々クルマのために造られた道ではなく、道路の下には直径1.1mほどの水道管が埋設されていて、砧浄水場まで直線でつながっている水道道路でした。
水道道路とは、主に上水道を輸送する水道管を埋設した土地の上に設けられた道路のことを指します。
1934年の竣工当初は歩行者用道路でしたが、1962年に補強をすることによりクルマも通行できるようになりました。
しかし、元々は水道管敷設のために用意されたスペースのため、水道管保護のため通行できるクルマの制限を設けています。
都内でここまでの長距離である荒玉水道道路が造られた理由は、大正時代までさかのぼります。
当時の都心部近郊の急激な人口増加への対応や安全な水の供給のために、荒川と多摩川で摂取した水を都内に送る上水道施設の建設に取り掛かりました。
この荒川の「荒」、多摩川の「多摩 (玉) 」の頭文字をとって荒玉水道と名付けられました。
しかし、当初の計画は途中で変更されて、多摩川のある砧浄水所から板橋区大谷口給水所までとなり、荒川は関わることがなくなります。
また、荒玉水道には野方配水塔と大谷口配水塔がありますが、現在はどちらも配水塔としての役目を終えています。
野方配水塔は災害用の給水槽として利用されており、大谷口配水塔は取り壊されて代わりにデザインを模したポンプ棟に作り替えられました。
芸術性の高い外装は、長くにわたって地域のシンボルとして親しまれていたこともあって、違った形で継承させる方向になったようです。
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東京都内でも珍しい、果てしなく続く直線道路と欧州の古城のような配水塔など、見どころ満載なのが荒玉水道です。
サイクリングやウォーキングで利用されている人も多いようなので、近隣にお住いの人は立ち寄ってみるのもいいでしょう。