あっ! 危ない! よく見る「歩行者の乱横断」 痛ましい事故は未だ減らず… 気をつけたい「歩行者側」のルールは
近年、横断歩道のない道路を歩行者が渡る「乱横断」が問題視されています。2022年には有名タレントが亡くなるという事故も発生しています。今回は、歩行者が気をつけたい交通ルールを見ていきます。
歩行者「乱横断」で事故多発
近年、歩行者が横断歩道のない道路を横断する危険行為「乱横断」が問題視されています。2022年10月には有名タレントが亡くなる事故が発生し、各報道で大きく取り上げられたこともあり、その危険性について呼びかけられています。
では改めて歩行者が気をつけたい交通ルールにはどんなものがあるのでしょうか。
日本の交通社会では、基本的に歩行者が優先されており、横断する歩行者がいれば軽車両を含むクルマなどはその行為を妨害してはなりません。
とはいえ、実は歩行者であっても自由に道路を横断して良いというわけではありません。
しかし近年、歩行者が横断歩道のない道路で横断するといったことや、信号無視をして道路を横断する、いわゆる乱横断が見られ、これによる大きな事故も発生しています。
2022年10月には有名コントグループ ザ・ドリフターズのメンバー仲本工事氏が横浜市西区(神奈川県)の交差点付近でクルマにはねられ、翌日に亡くなるという事故が発生。
仲本氏は、当時「歩行者横断禁止」の標識がある、片側に直進車線2車線と右折車線の道路を横断中にクルマにはねられたといい、乱横断の危険性を物語る事故だったことがうかがえます。
その後も乱横断による事故は絶えず、直近では2023年6月に川崎市川崎区(神奈川県)の歩道橋が設置された横断歩道のない7車線道路を渡っていた高齢男性が、また那覇市内(沖縄県)の信号機や横断歩道のない片側2車線の直線道路を渡っていた高齢女性がそれぞれはねられて亡くなっています。
SNSなどでも、クルマのドライブレコーダーに歩行者が危険な横断する様子を投稿するユーザーがしばしば見られ、「思わずヒヤッとした」といった声や、「危ないから横断歩道を渡って」「見通しの悪い場所の横断は自殺行為」など、ドライバーからの危険性を訴える声も見られます。
このように、歩行者はクルマと衝突することで命を落とすこともあるため、交通ルールをきちんと守る必要があります。
気をつけたいルールとして、まず歩行者は横断歩道や信号機のある交差点が近くにあるところでは、その横断歩道や交差点で横断しなければなりません。
なかには「今クルマが通っていないし…」と横断しようとする歩行者もいるかもしれませんが、死角で突然クルマやバイクが現れるケースも想定されます。改めて横断する際のルールを再認識しましょう。
警視庁のホームページでは、「横断歩道橋や横断用地下道が近くにあるところでは、できるだけその施設を利用しましょう」と解説しています。
また複数の車両通行帯(車線)がある道路や交通量の多い道路には、ハットをかぶった青い歩行者が道を渡ろうとしているイラストに「横断禁止」や「わたるな」の文字が書かれた標識が設置してあります。
こうした「歩行者横断禁止」の標識がある場所では歩行者はむやみに道路を横断してはいけません。
道路交通法第13条(横断の禁止の場所)の第2項にも「歩行者は、道路標識等によりその横断が禁止されている道路の部分においては、道路を横断してはならない」と規定されており、違反すると2万円以下の罰金または科料の罰則を受ける可能性があります。
さらに、2023年7月1日に電動キックボードの法改正が実施され、16歳以上であれば運転免許を持たずに運転できるようになり、利用者が増加しています。
それとともに事故も増加しており、比較的小型で周囲に溶け込みやすい電動キックボードに気づかない歩行者も多いと考えられます。
歩行者は改めて、自分や周囲の安全のためにも、交通ルールを守ることが大切です。
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ちなみに、クルマと歩行者との交通事故では、クルマの過失割合が大きくなる可能性が高いですが、現実にケガをしたり命の危険にさらされたりするのは歩行者であり、横断禁止場所での横断や信号無視などをしていれば、歩行者側の過失割合も増えることになります。
急いでいる時や、目的地が道路を挟んだ向かいにあるなどで遠回りをしたくない時など、危険な横断をしたくなることもあるかもしれませんが、交通ルールを守って安全に道路を渡りましょう。
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