なぜトヨタは「ヴェルファイア」を残した? 「アルファード一本化」から一変… 幻の「アルファードエアロ仕様」ベースに誕生した背景とは
なぜ新型ヴェルファイアは「走り」にこだわった? 2.4ターボが専用設定のワケとは
―― なぜ、新型ヴェルファイアでは走りを意識した仕様になっているのでしょうか。
ヴェルファイアのお客さまにはこだわった人が多いということもわかっていました。
なかでも、たまに走るワインディングなどでグニャグニャした走りになるよりは、しっかりライントレースする性能が欲しいよねという気持ちになることもあります。
そうしたこともあり、新型ヴェルファイアでは「走りが楽しいクルマ」を作れないかということで、色々とボディ補強を入れたり、ステアリング周辺にも色々なサポート機能を入れました。
そのなかで1番効果があったのが「フロントパフォーマンスブレース」で、本当にステアリングの初期操舵が良くて、ロールやピッチングなどがシンクロするなどして、「これはヴェルファイアのお客さまに良いんじゃないか」ということで採用しました。
ただし、後席に乗っていると「もう少し乗り心地が良くても」ということもあるので、そこのベストバランス(を追求した点)は新型アルファードの特徴となります。
―― では、2.4リッターターボエンジンを新型ヴェルファイアに設定した理由はどのようなことがあるのでしょうか。
当初から2.4リッターターボエンジンを設定することは決まっていました。
元々先代にはV型6気筒エンジン(の設定)がありましたが、新型でV6エンジンを「残す残さない」の議論を経て、「やっぱり動力性能が高いのがいいね」ということで2.4リッターターボエンジンを入れるというところにシフトしていきました。
ただ2.4リッターターボエンジンは、音や振動の問題があったので、もちろん徹底的に対策をして、さらにはアクセルを踏んだ時に心地よい音にするなどの味付けをしました。
また2.4リッターターボエンジンは他のエンジンよりも軽いこともあり、クルマ全体の軽快さが上がることなどもあり、新型ヴェルファイアにマッチしているということで設定しています。
※ ※ ※
このように元々「ミニバンの王道」を追求して新型アルファードが開発されましたが、こだわるユーザーに対する一つの答えとして「走り」を意識した新型ヴェルファイアが誕生したと言います。
実際に新型アルファード/新型ヴェルファイアを乗り比べると、後席での「移動の快適性」はどちらも遜色ないレベルですが、運転する人にとって新型ヴェルファイアはまさに「アグレッシブなミニバン」と言える存在となりました。
買う人も造る側も金持ちだから