トヨタ「C-HR」生産終了で約6年半の歴史に幕! 欧州では「新型」登場も国内では7月末で消滅 2代目を期待するユーザーも多い現状とは

トヨタ「C-HR」がまもなく生産を終了しますが、欧州で登場した次期型を待つユーザーも少なくないといいます。なぜなのでしょうか。

国内ではまもなく終了 新型の続報は「今のところ」なし

 欧州トヨタは2023年6月26日、約7年ぶりのフルモデルチェンジとなった新型「C-HR」を世界初公開しました。
 
 その一方で、国内では2023年7月下旬の生産終了が発表されています。

日本では生産終了もいまだにファンも多いという
日本では生産終了もいまだにファンも多いという

 2016年にデビューしたコンパクトクロスオーバーSUV C-HRは、TNGAプラットフォームを採用したことによる優れた操縦安定性と、2015年初公開のコンセプトカーをそのまま踏襲したスタイリッシュなデザインを特徴としています。

 ダイヤモンドモチーフの意匠を随所に取り入れた内外装が目を惹くC-HRは、コンパクトSUV人気の先駆けとして多くのユーザーに支持され、発売当初では販売台数ランキングの上位に位置していました。

 2017年度では10万2465台を販売し、SUVでは1位、登録車全体でも4位につけるなど、順調な売れ行きを記録したモデルです。

 今回、約7年ぶりのフルモデルチェンジが実施され2代目が登場。

 ハイブリッドとPHEVの2種類のパワートレインが用意されたことで、全車電動車化を果たしています。

 また、最新の先進運転支援「トヨタ セーフティセンス」、機能充実を図ったコネクテッドサービスの採用、軽量化やサステナブルな素材の使用など、環境・安全性能が向上しました。

 デザインは現行C-HRを踏襲しつつも新たな要素を取り入れ、最新のトヨタ車に共通する「ハンマーヘッド」をモチーフにした鋭いフロントフェイスや、真一文字のテールランプなどが採用されています。

 欧州では同日からオンライン予約が開始され、追って正式に発売されると見られます。

 しかし、日本では2023年3月10日に公式サイト上で、「C-HRについて23年7月下旬をもって生産終了いたします。長い間たくさんのお客様にご愛顧いただきました。誠にありがとうございました」と生産終了を予告。

 この背景には、近年のアウトドアブームなどからクロスオーバーSUV需要が高まり、これに応じる形で「ライズ」や「カローラクロス」「ヤリスクロス」などコンパクトSUVを拡充させたことで、当初はC-HRの独断場であった同セグメントのラインナップが強化されたことがあります。

 2019年にはマイナーチェンジを実施し、デザインの刷新やスポーティな「GR SPORT」モデルの設定などが行われ、走行性能をさらに向上。1.2リッターターボエンジン搭載車に6速iMT(インテリジェントトランスミッション)車を追加するなどのテコ入れを図りましたが、販売台数では苦戦。

 2022年度ではコロナウイルス感染拡大などによる生産ラインの停止や半導体不足による部品供給の不安定性なども関係し、1万2378台(41位)へと順位を落としています。

 その一方で、トヨタの販売店スタッフは「C-HRは、ほかのSUVとは異なるデザインを持つことや、都市部の立体駐車場にも入る大きさなどが支持され、現行型を乗りながら次期型を待つファンも一定数いる」と話します。

 コンパクトSUVとはいえ、同セグメントの多くのクルマが高い全高や1800mmを超える大きなサイズを持つなかで、アウトドア映えするタフなデザインでありながらも、全長4360mm×全幅1795mm×全高1550mmという手軽な大きさである点、高い走行性能を持っていることなどが根強いファンを獲得しているようです。

 さらに、SNSなどでも生産終了が発表された際、多くのユーザーから約6年半の歴史に幕を下ろすことについて残念だとする声が寄せられています。

 国内においてはトヨタ内でも競合するモデルがすでに存在し、そちらは人気を博していることや、公式からの新型投入についての発表はありませんが、新型を待ち望むユーザーも少なからずいると考えられます。

 今後、C-HRや同セグメントがどのように展開されていくか、期待がかかっています。

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