ホンダに大排気量「V8エンジン」搭載の市販車があった!? めちゃパワフルな「4リッター」エンジン! 激レア「ホンダ車」の正体は

「エンジン屋」というイメージの強くいホンダですが、市販車ラインナップには最大で「6気筒」までのエンジン形式しかなく、それ以上の多気筒エンジンは展開していないようです。しかし、過去には「V型8気筒」の大排気量エンジンを搭載したモデルを市販していたこともありました。一体どのようなクルマなのでしょうか。

ホンダが「V型8気筒」搭載車を市販してた!どんなクルマ?

 クルマの電動化の進む現在、ホンダはハイブリッド車や電気自動車、水素自動車などエコカーのメーカーというイメージが強くなっていますが、その一方で「エンジン屋」という印象も根強く、クルマやバイクのみならず耕運機や発電機に航空機など、様々なエンジンを搭載した商品をラインナップしています。
 
 また、かつてはスポーツ性の強い高回転エンジンの代名詞でもあった「VTEC」など、エンジンに関わる技術やその頑丈さも多く語られていました。
 
 そんなエンジンに強いホンダですが、市販車ラインナップには、1気筒(単気筒)から6気筒までの形式しかなく、他社に見られるような多気筒エンジンは展開していないようです。
 
 しかし、実はホンダは過去には「V型8気筒」の大排気量エンジンを搭載したモデルを市販していたこともありました。

初代ホンダ「クロスロード」
初代ホンダ「クロスロード」

 そのモデルとは、1993年にホンダが発売した初代「クロスロード」です。

 初代クロスロードは、90年前半に日本の自動車市場に吹き荒れていたRVブームに乗るべくホンダがラインナップしたモデルで、現代風に言えば「本格クロスオーバーSUV」でした。

 ボディサイズは3ドア車と5ドア車で長さが異なり、全長4465-4535mm×全幅1800mm×全高1950mm。

 ホイールベースは2540mmと、全長に対して全幅と全高がかなり大きめな設計となっており、この車体に悪路走破性に優れるラダーフレームと4輪リジッド式のサスペンションを採用。

 パワーユニットには最大出力180馬力・最大トルク31.8kgmを発揮する3.9リッターのV型8気筒エンジンを搭載し、4速ATのトランスミッションで4輪を駆動するフルタイム4WDでした。

 このクロスロードは、実はホンダの完全オリジナル車というわけではなく、イギリスの自動車メーカーであるランドローバーから「ディスカバリー」のOEM供給を受けてホンダで販売していたもの。基本的にはフロントマスクとエンブレム以外は本家ディスカバリーと同じクルマです。

 これは当時のホンダがSUVを生産していなかったための処置であり、初の自社製SUVとなる初代「CR-V」が誕生するまでの“つなぎ”と言っても良い存在だったのです。

 とはいえ、当時の先進的な技術はしっかり盛り込まれており、ボディパネルはアルミニウム製とすることで軽量化が図られ、さらに低重心化も実現。

 大きく確保されたキャビンスペースは体の大きな人でも快適に過ごすことができ、くわえて荷室や収納スペースも広大で、大きな全幅を除けば実用性に優れたクルマでした。

 ただし価格が当時で約400万円と高めの設定だったことや、海外製ゆえにボルトやナットの大きさの規格が日本と異なっていたためディーラーでも整備に苦労したことが合わさって、クロスロードの販売は低迷。

 その後に登場した初代CR-Vが販売好調となったことや、OEM元のディスカバリーのフルモデルチェンジ、ホンダとランドローバー(当時はローバーグループ)との提携解消などを要因として、クロスロードは1998年に販売を終えました。

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