車の「ナンバー移設」は違反になる? かつての「定番カスタム」も規制強化でNGな場合も!? 車検に通るケースは?
普通車の場合、クルマの中央に「ナンバープレート」が設置されます。ナンバープレートに関する規定が厳格化されていますが、左右どちらかに移設するのは問題ないのでしょうか。
2021年からナンバーの角度にも規定を設定
軽自動車は、ラジエーターに風を当てるために運転席側にナンバープレートがオフセットされていることが多いのですが、普通車の場合、通常はボディの中央に配置されています。
一方で、普通車でもナンバープレートを左右どちらかに設置しているクルマを見かけることがありますが、これは問題ないのでしょうか。
ナンバープレートの規定について、「道路運送車両法」の第19条(自動車登録番号標等の表示の義務)では「自動車登録番号(ナンバー)を見やすいように表示しなさい」というものの、基準が曖昧でした。
そこで国土交通省が道路運送車両法と「自動車検査独立行政法人法」を改訂し、2016年4月からナンバープレートの規定を制定。
ここでは、当時オービス(自動速度取締装置)やネズミ捕り対策として流行しつつあったナンバープレートカバーの禁止や、表示が隠れてしまうようなナンバーフレームの禁止、ナンバー自体の折り曲げ禁止、回転(著しく角度のついた状態)の禁止などが盛り込まれました。
そして、この2016年に禁止された回転の基準をより厳格化させたのが2021年10月から適用されている現在の基準です。
たとえばナンバーがより見やすくなるように、フロントナンバーは「縦方向が上10°~下10°以内」と「横方向0°~左向き10°以内」、リアナンバーは「上向き45°~下向き5°」以内と「横方向に0°~10°」以内(乗用車の場合)といったように規定。
ナンバーフレームの幅やボルトカバーの直径や厚みまで規定されており、ナンバープレートの変更やカスタムなどが許されない雰囲気となっています。
ただし、この新基準が適用されるのは「2021年4月1日以降に初めて登録・検査・使用の届出がある自動車」となっており、数年前に購入したクルマや2021年以前の年式の中古車などには適用されません。
基準が厳格化されつつあるナンバープレートですが、左右どちらかに移設するカスタムについて、現役整備士のF氏に聞いてみました。
「前方からナンバーを視認できないような場所への移設はもちろんNGですが、左右への移動は、新基準を満たしたフレームで角度も適正であれば可能です。
しかも2021年4月以降のクルマでも基準を満たしていれば問題ありません」
新基準では、ナンバープレートの装着位置に関しては高さや角度の指定はあるものの「中央でなければならない」といった基準はありません。
そのため、スポーツカーなどで、ラジエーターグリルからより多くの空気を取り込みたいといったニーズに応えるための移設は可能なのだそうです。
「ただし、かなり昔に流行したダッシュボードにフロントナンバーを置くことは、見えやすいという基準を満たしておらずNGです」(F整備士)
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