高速道路の「カルガモ走行」って? 名前はカワイイが卑劣極まりない行為! 逮捕事例も数多くある「不正な行為」の実態
高速道路で起きる「カルガモ走行」とは一体どんな行為を指すのでしょうか。
一見カワイイように思えても、立派な犯罪行為の「カルガモ走行」
2023年6月19日、神奈川県警察は東名高速道路および首都高速道路のETCレーンでの不正通行者を道路整備特別措置法違反の容疑で逮捕したと発表しました。
この行為は一部で「カルガモ走行」とも呼ばれていますが、一体どういったものなのでしょうか。
カルガモ走行は、カルガモの子どもが親のあとに列を成して歩く姿から名付けられています。
これになぞって、料金所を通過する際に前車との車間距離を極端に詰め、ゲートを突破する行為を指すものです。
今回の事件では、容疑者はETC出口ゲートの少し前で「カルガモの親」になりそうなトラックを探し、料金所では車間距離を開けずに通過し、通行料金を逃れる行為をおこなっていました。
カルガモ親子の可愛らしさとは著しくかけ離れた悪質な違反行為といえますが、今回逮捕された容疑者は3年間にわたって何度も不正通行を繰り返し、約750万円の通行料金支払いを逃れた疑いがあるといいます。
今回の事件について、NEXCO中日本の担当者は以下のように話します。
「高速道路の定めた走りではなく、ETCレーン開閉バーが閉じる前に追従走行し、通行料金を不正に免れたというものです。
警察と相談し、逮捕された形となりました」
こうした不正通行は各高速道路でも発生しているといい、前出の担当者は今回の事件のほか、「過去に何度も起きています」と話します。
NEXCO中日本が公開している不正通行による逮捕事例を見ると、2022年7月29日には二輪車による不正通行を行ったケースや、2021年8月24日にはETCを悪用した不正通行など、絶えず発生していることが分かります。
またNEXCO西日本が発表した情報によると、2023年4月には以下のような不正通行の事例も存在しています。
「第二京阪道路(上鳥羽料金所)において障がい者割引制度を悪用し、本来支払うべき通行料金の一部を免れていた者を不正通行者と認定しました」
障がい者が対象となる通行料金割引制度を悪用した事例も見られています。
このほか高速道路各社では不正通行事例を公開しており、徹底した不正通行対策を行っており、NEXCO中日本の担当者は、「不正通行は断固として許しません。適正な走行をお願いいたします」と注意を呼びかけています。
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ではどういったケースが不正通行に該当するのでしょうか。通行料金の全部もしくは一部の支払いを免れる目的としての通行には以下のようなケースがあります。
●ETC車線で、路側表示器が「STOP 停車」を表示し、開閉バーが閉じているにもかかわらず、故意に開閉バーを押し破って通行した場合
●一般車線で通行料金を支払わずに通行した場合
●通行料金の安い車両でセットアップされた車載器を、通行料金の高い車両に載せ替え、本来の通行料金を免れて通行した場合(例:軽乗用車として登録された車載器を普通車に使った場合)
●「不払宣言書」を係員に差し出し、規定の料金を支払わずに通行した場合
●通行区間を偽って、本来の通行料金を免れて通行した場合
このような不正通行を行った場合、監視カメラなどで特定し、免れた通行料金と割増金(免れた通行料金の2倍に相当する額)を請求がされます。
また道路整備特別措置法第59条の規定により、30万円以下の罰金が科されます。
高速道路を通行する際は、料金所では減速し適正な通行料金を支払うとともに、交通ルールにしたがって安全に走行することはもちろんですが、カルガモ走行のような不穏な動きのあるクルマを見かけた場合は、迷わず警察などに通報するのが望ましいでしょう。
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