トヨタの「ハリアー」なぜ売れ続ける? 豪華な内外装デザインでも価格はそこそこ? コスパ高い「ラグジュアリーSUV」が人気のワケ
そんなハリアーに欠点はないのか?
多くの人にとっては、欠点と呼べるほどのものはないでしょう。しかし、筆者のような運転好きにとっては少し物足りない部分もあります。それはドライバビリティ(=ドライバーに対する車両の応答性)です。
たとえばガソリン車は2.0リッターエンジンにCVTを組み合わせますが、スムーズなのは間違いない反面、パワー感もアクセル操作に対する反応もおとなしく、運転する歓びはあまり感じられません。その部分は、ライバルであるマツダ「CX-60」のガソリン車やディーゼル車に劣っています。
ハイブリッドモデルでも、日産「エクストレイル」ほどのダイレクト感やキレ、そして伸び感がなく、比べると物足りない印象です。
またハンドリングでも、残念ながらエクストレイルやCX-60、そしてホンダ「ZR-V」などの躍動感と楽しさは感じられません。
今後のマイナーチェンジ、もしくはフルモデルチェンジなどでそこが改良されれば、より魅力的なクルマとなるでしょう。
ところで、冒頭では「単独車種名でSUVの1位」としたハリアーですが、実はそれを上回る登録台数を稼いでいるSUVもあります。
それはトヨタ「ヤリスクロス」。自動車販売協会連合会のランキングにおいては「ヤリス」に含まれていますが、ヤリス・ヤリスクロス・「GRヤリス」などのシリーズ中、ヤリスクロス単独での5月の登録台数は6740台ほどで、ハリアーを上回っています。
その人気の理由は「手ごろな価格」や「コンパクトなボディサイズ」と考えられ、ハリアーが売れている理由とは全く異なるものといっていいでしょう。
Writer: 工藤貴宏
1976年長野県生まれ。自動車雑誌編集部や編集プロダクションを経てフリーの自動車ライターとして独立。新車紹介、使い勝手やバイヤーズガイドを中心に雑誌やWEBに寄稿している。執筆で心掛けているのは「そのクルマは誰を幸せにするのか?」だ。現在の愛車はマツダ CX-60/ホンダ S660。
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