軽自動車と普通車が別物のワケ 規格や税、差異の根拠はどこにある?

四輪の軽自動車と普通車とでは近年、価格差が縮まってきており、装備面もさほど変わらなくなってきました。しかし法的にはまったく別物と扱われるのは、なぜでしょうか。

高速道路料金も安い「軽」 車両価格も安い?

「軽自動車」は、法律上は二輪車や三輪車も含まれます。ゆえに「軽四輪」といった呼称も使われることがありますが、実情では、三輪自動車は現在ほとんど見ることはありませんし、二輪自動車といえばバイク(法律上はサイドカー付きバイクも含まれる)と表現されることがほとんどです。よって一般に「軽自動車」といえばおおむね「軽四輪」を指すものといえるでしょう。

 現在、四輪の軽自動車規格は、全長3.4m以下、全幅1.48m以下、全高2m以下、排気量660cc以下、定員4名以下、貨物積載量350kg以下という、普通車よりも小さなものです。車両が道路を占める割合や、道路を傷める割合が小さいことを理由に、たとえばNEXCO各社が管轄する高速道路において軽自動車は、普通車より通行料金が安く設定されています。

 しかしながら、かつては「小さくて安い」イメージがあった四輪の軽自動車も、近年は規格ぎりぎりまで大きくした車両が増え、先進安全技術なども採用されていることから、価格の高騰が見られるようになりました。

 たとえば、2016年に軽自動車で販売台数1位となったホンダ「N-BOX」の価格は119万8000円(税込、以下同)から、2位のダイハツ「ムーヴ」は113万4000円からですが、普通車のホンダ「フィット」(1.3L)は129万9800円から、トヨタ「ヴィッツ」(1.0L)は118万1520円からです。新車で100万円を切る四輪の軽自動車もありますが、普通車との価格差は縮まってきています。

 もはや大きさと排気量くらいしか差がないように思えるかもしれませんが、普通車と四輪の軽自動車とでは、そもそも法的な位置づけが大きく異なります。

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