日産の「車中泊ミニバン」がスゴい! 新型「セレナ」に大型ベッド搭載!? 爆睡できる「マルチベッド」とは?

日産「セレナ」にはさまざまなバリエーションがありますが、なかでも2列シート仕様でベッドシステムを搭載した「セレナ マルチベッド」が個性的です。どのようなモデルなのでしょうか。

車中泊に力を入れる日産

 日産のミドルサイズミニバン「セレナ」は2022年末に全面刷新し、6代目となる新型モデルがデビュー。2022年12月22日のガソリン車発売を皮切りに、2023年4月20日にe-POWER車(ハイブリッド)が登場しました。
 
 4月12日時点でガソリン車は1万8500台、e-POWER車は2万410台をそれぞれ受注したといい、販売好調な新型セレナを街で見かける機会も増えています。

日産新型「セレナ」の車中泊仕様がスゴい!
日産新型「セレナ」の車中泊仕様がスゴい!

 新型セレナにはさまざまなバリエーションが用意されており、標準仕様のほか、エアロ仕様の「ハイウェイスター」、最上級グレードで「プロパイロット2.0」など先進装備が搭載される「ルキシオン」、プレミアムスポーティなカスタム仕様の「AUTECH」といったモデルがラインナップされました。

 そんな新型セレナのなかでも、とくに個性的なモデルが車中泊仕様の「マルチベッド」です。

 先代の5代目モデルで初めて設定され、新型セレナに継続設定されているマルチベッドには、一体どのような特徴があるのでしょうか。

 セレナ マルチベッドは、日常的使いでも普通に使用でき、アウトドアやレジャーを楽しむ人、ペットを連れた旅行、そしてクルマのなかで寝泊まりする「車中泊」を趣味とする人に適したミニバンです。

 また、災害時の避難先といった用途にも対応が可能です。

 新型セレナは3列シートを備えていますが、セレナ マルチベッドは2列シート(4人乗り/5人乗り)とし、3列目シートはありません。

 3列目シートの代わりに収納式のベッドシステムを装備し、そこにベッドマットを設置するという仕組みになっています。

 また、2列目シートをリクライニングして、前席(運転席・助手席)の後部に3枚に分割されたベッドシステムを展開すると、長さ2120mm、幅1320mmという広々としたベッドスペースが出現。フルフラットのベッドで大人2人がゆったりと寝ることができます。

 新型セレナ マルチベッドは先代モデルと比較し、ベッドマットの厚みが10mm増して寝心地が良くなったほか、通常の新型セレナでオプション設定となる防水シートを標準装備。

 さらに、ベッドマットにもシートと同じ防水性のある素材を使用し、汚れなどが拭き取りやすく手入れも簡単におこなえます。

 車中泊するときに困るのが荷物の置き場ですが、新型セレナ マルチベッドはベッドシステムの下に収納スペースを確保。収納スペースは、水濡れや泥汚れなどに強い硬質塩ビマット張りとしました。

 ちなみに、ベッドマットを取り外すと大きなラゲッジスペースとなり、大型の荷物も楽に積むことが可能で、3列シートをはね上げて格納する通常仕様のセレナよりもラゲッジスペースを広く使えます。

 なお、ベッドマットを使わないときは、2列目シートの後ろに前側の2枚を重ねてベルトで固定しておきます。

 SNSでは、「新型セレナ オーテックのマルチベッド良いな」「新型セレナついにメーカーが5人乗りでベッド付きで売ってきた! ヤバい欲しいわ」「ちょっといいなあ! プロパイロット2.0のe-POWERで4WDが出たら文句なし!」といった書き込みが見受けられ、新型セレナ マルチベッドに興味を持つ人が少なくないことが分かります。

 セレナ マルチベッドは、日産車の特装車などを手掛ける日産モータースポーツ&カスタマイズが開発・製造をおこなうモデルです。

 通常モデルと同じく日産ディーラーで購入できるとともに、メンテナンスなども受けられる、いわばメーカー純正の車中泊仕様ともいえます。

 メーカー純正で車中泊に特化したモデルはあまりなく、トヨタ車のカスタムカーを手掛ける「モデリスタ」が「ハイエース」のコンプリートカーとして設定している「マルチロールトランスポーター」が該当しますが、明確に車中泊仕様とうたっているのは日産独自ではないでしょうか。

 なお、セレナのほかに「キャラバン」と「NV200 バネット」にもマルチベッドが設定されており、加えて、「マイルーム」という、まるでリビングルームのような車内を実現したキャラバンの車中泊仕様も2023年度内の市販化が予定されるなど、日産は車中泊に力を入れているといえそうです。

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