トヨタ「カローラ」が世界初の快挙! 24時間レースで成し遂げた「前代未聞」の挑戦! キーワードは「液体水素」
トヨタは、2023年5月26日から28日にかけて富士スピードウェイで開催された「スーパー耐久富士24時間レース」に「液体水素」を燃料とする水素エンジンを搭載した「カローラ」で参戦し、見事完走しました。
「液体水素」を燃料とするカローラの世界初の挑戦
トヨタは、2023年5月26日から28日にかけて富士スピードウェイで開催された「ENEOS スーパー耐久シリーズ2023 第2戦 NAPAC 富士 SUPER TEC24時間レース(以下、スーパー耐久富士24時間レース)」に、「液体水素」を燃料とする水素エンジンを搭載した「カローラ」で参戦。358周と総走行距離約1634kmを走り切り、見事完走しました。
液体水素を燃料とする車両でのレース参戦は、今回が世界初の挑戦となります。
この水素エンジンカローラは、もともとは2023年3月に開催された「第1戦 SUZUKA S耐5時間レース」で初参戦をする予定でしたが、事前に富士スピードウェイで実施したテスト走行にて、気体水素配管からの水素漏れを原因とする車両火災が発生。車両の復旧が間に合わなかったため、同レースへの出場を断念していました。
無念の欠場から約2カ月間、トヨタは安全最優先の考えのもと、車両火災の原因となった水素配管の設計を変更。
さらに、変更前と比較して車重を50kg以上軽量化することにも成功し、かつて2021年5月に「気体水素」を燃料とする水素エンジンカローラがスーパー耐久富士24時間レースに初参戦した際のラップタイムを上回る性能を実現したといいます。
また、燃料が液体水素になったことで圧縮気体水素を作る設備が不要となり、燃料充填設備に必要な面積を気体水素使用時の4分の1程度までコンパクト化にすることにも成功。
ガソリン車と同じようにピットエリア内で燃料が充填できるようになったうえ、充填時に昇圧の必要がないため複数台連続の充填も可能になりました。
そのほか、液体水素に燃料を変更することで体積当たりのエネルギー密度が上がり、満充填からの航続距離は約2倍、充填時間はこれまでと同じ約1分半を実現しています。
一方で、気体水素には液体水素と比較してシステム構成がシンプルで済むというメリットがあり、反面、液体水素には充填や貯蔵の際に水素を-253度より低い温度に保つ必要があるなどの課題もあります。
このように気体水素と液体水素にはそれぞれ異なるメリットや課題があるので、双方の特性を生かして使用するため、トヨタは引き続き気体水素と液体水素の両方の開発に力を入れ、燃料搭載方法の選択肢を広げていくということです。
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