ホンダの高級ミニバン「オデッセイ」再販決定! 中国生産の“輸入車”でも問題なし? 懸念されることとは?
新車としての販売を一旦終えたホンダ「オデッセイ」が、改良して2023年冬に復活することになりました。もっとも大きな違いは中国生産になるということですが、ユーザーやホンダの販売店はどのように捉えているのでしょうか。
新「オデッセイ」中国生産で復活!
1994年10月に初代モデルが登場したホンダ「オデッセイ」は、3列シートを持つミニバンでありながら、セダンライクな運転姿勢や四輪ダブルウィッシュボーン式サスペンションによる高い走行性能も相まって一躍人気車種となり、多くのフォロワーを生んだ1台となりました。
そして2013年に登場した5代目モデルでは、それまで存在していた高級ミニバンの「エリシオン」との統合もあり、国内のオデッセイとしては初めてスライドドアを採用。ホンダ独自の低床低重心技術によってほかのミニバンとは一線を画す走行性能は健在で、根強いファンを持つモデルに成長していました。
2020年11月には2度目のマイナーチェンジを実施してフロントマスクを中心としたエクステリアにまで手が加えられ、さらに高いステージに上ると思われていた矢先、2021年末に生産工場であった狭山工場の閉鎖に伴って生産終了がアナウンスされ、2022年秋ごろには在庫も完売。一旦現行モデルとしてのオデッセイに幕引きがなされることになったのです。
しかし2023年4月、およそ2年ぶりに国内でオデッセイが復活することが発表されました。
といってもフルモデルチェンジではなく、5代目モデルの改良モデルとなっており、一部装備のアップデートや新グレードの「ブラックエディション」を追加するというもの。ただ、生産が中国の現地法人である広汽本田汽車となり、国内に輸入される形となった点がもっとも大きな違いです。
現時点では新オデッセイは2023年秋ごろに先行予約を開始し、同年冬に発売されるという予定となっていて、価格やグレード体系などは明らかになっていません。
オデッセイの再販について、ユーザーや販売店はどう捉えているのでしょうか。
首都圏に拠点を構えるホンダ販売店のスタッフによると、「新型オデッセイへの反響は詳細がそこまで明らかとなっていないこともあってか現時点ではそこまでではない」とのこと。
今後詳細が発表されるにつれて、大きくなっていくのではないかと考えているようです。
また、当初オデッセイを検討していたものの、販売終了したことで「ステップワゴン」に変更したユーザーもおり、そういったユーザーからなにか反応があるかと危惧していた部分もあったものの、実際はマイナーチェンジの範囲に留まったこともあってか、特に不満を訴える声も挙がっていないといいます。
また中国生産に切り替わったことを気にするユーザーが多いと思いきや、購入を検討しているユーザーは意外にも冷静な意見が多い様子。すでに多くの部品に中国製のものが使われていることもあって、特に問題ないという判断をしているようです。
販売する側の意見としては、「ユーザーに提案できる車種が増えるというのは率直にありがたい」という声がある一方で、「輸入車となることで納期がどうなるのか」「安定してユーザーに供給できるのかどうかが気になる」という話もありました。
ホンダとして中国から輸入するのは初めてではあるものの、古くからアメリカやカナダ、タイから輸入した車両を販売していた実績があるだけに、輸入モデルであることへの不安はほとんどないようですが、半導体不足による部品供給の不透明性が長続きしているこのご時世で、どのくらい納期に影響があるかについて懸念していることがうかがえます。
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生産国を変えて再出発を図るオデッセイですが、実際のところは販売がスタートしてみないと何とも言えないというのが正直なところのようです。
高級ミニバンとしてはトヨタ「アルファード」のフルモデルチェンジが控えており、そんななか2年のブランクを経て再販されるオデッセイの動向が注目されます。
Writer: 小鮒康一
1979年5月22日生まれ、群馬県出身。某大手自動車関連企業を退社後になりゆきでフリーランスライターに転向という異色の経歴の持ち主。中古車販売店に勤務していた経験も活かし、国産旧車を中心にマニアックな視点での記事を得意とする。現行車へのチェックも欠かさず活動中。
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