運転中に突然「ひょう」降ってきた! どう対処する? 予測できない降ひょうへの備えは
初夏は「ひょう」が降ることが多く、過去には関東地方の広いエリアで降ひょうが観測されたことがあります。その場合、クルマへの被害を減らすためにはどうしたらいいのでしょうか。
クルマへの被害も見過ごせない「突然のひょう」
夏が近づくと大きな「ひょう」が降ることがあります。家屋や農作物に被害を与えるだけでなく、クルマのボディがへこんだりなど、さまざまな被害をもたらします。
ひょうが降る可能性がある場合、クルマではどのような準備をしておく必要があるでしょうか。
気象庁によると「ひょう(雹)」とは、積乱雲から降る氷塊のうち、直径が5mm以上のものをいい、春から秋にかけて発生する可能性が高まります。
ひょうの発生メカニズムは、春や秋になると地表近くで暖められた空気と上空の冷たい空気の温度差によって上昇気流が発生し、積乱雲が発達します。
積乱雲の中には氷の粒があり、通常であれば地表に落ちてくるまでに溶けて雨となりますが、上昇気流に持ち上げられて漂ううちに、氷の粒同士や周囲の水滴がくっついて大きくなり、その大きさを保ったまま溶けることなく地表に落ちてきたものがひょうなのです。
似たような気象現象に「あられ(霰)」があり、こちらも氷のかたまりが降ってくる現象ですが、その違いは降ってくる氷塊の大きさで、氷の粒が5mm未満の小さなものをあられ、5mm以上の比較的大きなものをひょうと呼んで区別しています。
空気抵抗の作用で氷の粒が大きければ大きいほど落下速度が速くなるため、落ちてきた際にケガをする恐れがあるほか、家屋や農作物に与えるダメージも大きくなります。
ひょうは、大きいものでは5cmを超えるサイズになることもあるといい、もしクルマの上に落ちてきたらボディがへこんだりフロントガラスが割れたりなどの損害を受ける可能性があります。
実際に、2022年6月に関東地方の広い範囲でひょうが降り、農作物や家屋などを中心にさまざまな被害が発生しました。
この雹害では、一面が真っ白になるほど多く、数cmほどの大粒のひょうが降った地域もあります。
ゴルフボールほどの大きさのひょうが降ったことによりカーポートの屋根が割れたり、ボンネットがへこんでしまったりなどの被害が報告されています。
これにより、クルマのボディを修理する板金塗装業者に修理の依頼が殺到し、一時はボディの傷修理にかなりの時間がかかることもあったほか、中古車市場では「ひょう害車」が多く流通する事態となりました。
>駐車場などにクルマを停めているときにひょうが降ってきた場合は、毛布やふとんなどをクルマの上にかけることで直接当たることを防ぎ、被害を軽減させることが可能です。
自分の身の安全よりも車の心配???