謎の「青いイカ」に「亀」!? 多数あるメーターの「警告灯」何を意味する? 色ごとで示される危険度とは
クルマのメーターパネルに表示される警告灯は、国際規格や法規制により、どのクルマでもほとんど同じデザインのものが設置されています。ではそれぞれの意味はどのようなものでしょうか。最近のクルマの進化に合わせて変化しているものはあるのでしょうか。
赤い警告灯が点灯したら危険のサイン。警告灯の色の意味とは。
クルマのメーターパネルに表示される警告灯や表示灯は、走行の異常やクルマの故障をドライバーに知らせるほか、正しい操作が行われていない場合などにも警告を発する装備です。
なかでも、シートベルトなど重要な警告灯は必ず装備しなければならないことが義務付けられています。
また、警告灯はそれぞれ、表示する内容の重要度により色が異なります。警告灯が表す内容はさまざまですが、その意味やデザインは国際標準化機構(ISO)で定められており、国産車でも輸入車でも共通しています。
では、警告灯はどのように色分けされているのでしょうか。
まず、赤色の警告灯は重大な異常を知らせます。もっとも緊急性が高く、赤色の警告灯が出たらすぐにクルマを停止し対処する必要があります。
たとえば、◯の中に「!」が描かれている赤色のブレーキ警告灯。パーキングブレーキを引いていると点灯しますが、パーキングブレーキを解除しても消灯しなければブレーキオイル(ブレーキフルード)の不足やブレーキ系統の異常が考えられます。
また、バッテリー警告灯は、バッテリーそのものの異常やオルタネーター(発電機)などの充電系統に異常が発生すると点灯します。もし対処せずに走行すると、バッテリー内に残った電気を使い切りエンジンが停止するおそれがあります。
さらに、エンジンに満たされたオイル圧が低くなるとランプ形の基本油圧警告灯が点灯します。くわえて、シートベルト警告灯や半ドア警告灯、エアバック警告灯も赤色で表示されます。
ほかにも、水温警告灯や排気温度警告灯などがありますが、いずれにしても赤色の警告灯が点灯したら、走行をやめてディーラーや整備工場などでクルマを点検することが大切です。
ちょっと危険そうな黄色の場合は?
すぐにエンジンを止める必要まではないものの、クルマに異常が起きている状態を知らせる警告灯は黄色です。
黄色いエンジンマークのエンジン警告灯は、エンジンやトランスミッションなどに異常が発生すると点灯します。多くの場合ひとまず走行はできますが、状態によってはエンジンにダメージを与える危険があります。
◯の中に「ABS」と書かれた黄色いABS警告灯は、ABS(アンチロックブレーキシステム)そのものやセンサーの故障が考えられます。この場合、ABSが動作しないため、急ブレーキ動作ではタイヤがロックし、ハンドル操作ができなくなります。
タイヤの空気圧が不足すると表示されるのはタイヤ空気圧警告灯、燃料不足を知らせるのは燃料残量警告灯です。
このように、黄色い警告灯が点灯する場合は、運転しにくくなるだけでなく、思わぬ事故の原因を抱えてしまうことにもなるため、早めの対処が必要です。
安全そうな緑色は?
ウィンカーやハザード、ライト、フォグランプ表示灯など、ドライバーの操作により点灯するのは緑色の表示灯です。警告灯ではありませんが、こちらも動作させているのに表示されない場合は、点検が必要です。
警告灯や表示灯の色の意味は、赤色は危険、黄色は注意、緑色は安全と覚えておくとよいようです。
また、なかには少数ながら青い表示もあり、例えば“青いイカ”のような表示は、「ハイビーム表示灯」で、ヘッドライトがハイビームになっている場合、およびパッシング操作をしている時に表示されるマークです。
進化するEVや運転支援システムに合わせて、新しい警告灯も。
さらに、ハイブリッド車や電気自動車が登場し、電子制御式の運転支援システムも普及してきた現在は、法律で定められたもののほかに新しい警告灯もみられます。
メーカーや車種により呼称に多少のばらつきはあるものの、ドライバーが直感的にわかるようにほぼ同じようなデザインになっているようです。
たとえば電気自動車では、バッテリーが減ってくるとコンセントマークの黄色い充電残量警告灯が点灯します。
さらに、そのまま走行を続けて残量が極端に低下すると、トヨタや日産車などでは亀の形をした出力制限表示灯が点灯します。この状態になると走行用モーターに供給される最大電力が制限されるため、アクセルペダルを踏んでも速度が上がらなくなることがあります。
また、クルマに「!」が描かれた黄色いハイブリッドシステム警告灯もあります。ハイブリッド車や電気自動車のシステム自体の異常を感知すると点灯し、そのまま走行し続けるとすると突然運転操作ができなくなるような危険な状態に陥る可能性があります。
運転支援システムに関する警告灯としては、ハンドルやアクセル、ブレーキペダル、シフトに関するものが多いようです。
クルマがフラフラと走行しているようなマークの黄色いスリップ表示灯もそのひとつです。すべりやすい路面などで、車輪ロックを防止するABS機能や駆動力を確保する機能、横滑り抑制機能などが作動すると点滅します。
また、アクセルとペダルを同時に踏むと、ブレーキオーバーライドシステム警告灯が点灯するクルマもあり、誤操作であることを知らせます。
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見慣れぬ警告灯が表示されても慌てないように、予め取扱説明書を読んでおくとともに、警告灯が点灯したら状態を確認して対処し、早めにクルマの修理を依頼することも必要です。
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