ディーラーから案内来る「12ヶ月点検」受けなきゃダメ? 「法定点検」と「車検」何が違う?

クルマには「車検」のほかに、「12ヶ月点検」と「24ヶ月点検」といった「法定点検」を受けることになっています。これらは安全にクルマを走らせるうえで必要なメンテナンス作業なのですが、車検と法定点検の違いは何なのでしょうか。

法定点検と車検とは何が違う?

 クルマには、決められた期間ごとに「車検」を受ける必要がありますが、これとは別に「12ヶ月点検」と「24ヶ月点検」と呼ばれる「点検制度」があります。
 
 12ヶ月点検と24ヶ月点検は、クルマを安全に走らせるうえで必要な検査義務なのですが、車検とは違ってその必要性がわかりにくいものです。

12ヶ月点検も受けるべきなのはナゼ?(イメージ)
12ヶ月点検も受けるべきなのはナゼ?(イメージ)

 しかし、この12ヶ月点検と24ヶ月点検は「法定点検(定期点検)」と呼ばれ、その名の通り「道路運送車両法」の第48条(自動車点検基準第2条)によって義務付けられたものなのです。

 法定点検と車検とは一体何が違うのでしょうか。

 埼玉県で現役整備士として勤務するF氏に、法定点検と車検の違いについて教えてもらいました。

「かんたんに言えば、車検は公道を走行するうえで国が定める保安基準を満たしているかを検査するものです。

 一方で法定点検は、クルマの故障を減らし性能維持を目的とした検査と整備を含みます。つまり、問題なく走れるように、定期的に点検や整備をおこなってくださいと言うことです」

 車検は単に国が定める基準をクリアすればOKなのですが、法定点検はより細かい項目を点検し、クルマのコンディションを管理するということです。

 とはいえ、新車の場合、購入したディーラーから「法定点検のお知らせ」といった連絡がありますが、中古車ではあまり聞いたことがありません。法律(道路運送車両法)で定められているとはいえ、法定点検は必ず受けないといけないものなのでしょうか。

「ここが少し難しいところでして、いわゆる法定点検は義務と明記されているものの、実際は点検を受けなくても罰則規定はありません。切れていると罰則や罰金が科せられる車検との違いはここにあります。

 ただし、結果的には保安基準を満たすためには、日々のコンディション維持が必要であり、プロでしかチェックできない項目も多いことから、最低でも24ヶ月点検を車検時に受けてもらうようにしています」(F整備士)

 車検では、灯火類(ヘッドライトやウインカーなど)が適正な光軸(照らし方)になっているかや、適正な明るさで作動するか、ブレーキはちゃんと作動しているかなど、主な8つの項目で基準を満たしてさえいれば合格できます。

 それに対し、法定点検のひとつである24ヶ月点検では、これらに加えてベルト類のたわみや劣化の確認、ブレーキパッドの消耗具合や劣化具合の確認、排気ガス規定の基準内かの確認などの項目も加わり、必要であれば消耗部品の交換(部品代は別途)まで行うなど、より詳細にクルマの状態をチェックしているのです。

 ちなみに、ディーラーから「6ヶ月点検」の案内も来るかと思いますが、6ヶ月点検は走行距離が伸びる傾向にある商用車などでは法定点検となりますが、一般ユーザーが普段使う乗用車では法的な義務はありません。

 受けなくても罰則はありませんが、ディーラーやショップによっては「6ヶ月点検」が無料で受けられたり、保証期間中に初期不良の早期発見できるなど、受けるメリットは大きいと言えます。

 精密な機械の集合体であるクルマはメンテナンスフリーということはなく、人間の身体と同様にコンディションを維持するためには、新車でも中古車でも定期的な健康診断で不具合を早期発見し、初期治療することが大切というわけです。

【画像】これはアウト! 交換せずに真っ黒&ドロドロになった「エンジンオイル」写真で見る

まさか自分のクルマが… 高級外車のような超高音質にできるとっておきの方法を見る!

画像ギャラリー

1 2

【NEW】自動車カタログでスペック情報を見る!

新車不足で人気沸騰! 欲しい車を中古車でさがす

最新記事

コメント

本コメント欄は、記事に対して個々人の意見や考えを述べたり、ユーザー同士での健全な意見交換を目的としております。マナーや法令・プライバシーに配慮をしコメントするようにお願いいたします。 なお、不適切な内容や表現であると判断した投稿は削除する場合がございます。

2件のコメント

  1. 1ヶ月点検はディーラーにて無料で行ないましたし、念のためのオイル交換(2.7L/4千円)で済みました。6ヶ月点検をどうするかは決めていませんね。基本的に走行距離が長いので1ヶ月点検は3週間後。実際は千キロで良いと言われたが2週間で千キロ走りました。次の5千キロはたぶん3~4ヶ月目くらいになります。
    それに何か臭う。変な音がするようになった。加速・吹け上がり・アイドリング時の音にムラなど乗っていて解るので故障や異常にも早く気付きます。ブレーキパッドの固着なんかは基盤が焦げたような臭いがしますし、シャリシャリと低い音がする場合はホイールが加熱するので長距離を走ってると休憩時にホイールを触って確かめます。
    サンバーに乗ってた時はブレーキオイル漏れに対してパーキングブレーキのランプが点きっぱなしとか意味不明な警告が出ていましたけど。
    多分、その辺りのことを全く気にしないユーザーは3~4年経過したらこまめに点検を受けたほうが良いのでは。オイル交換も今じゃセルフスタンド化でスタッフが勧めてくることはほぼ無いですし。車に無頓着な人ほど受けたほうがよい。車を大事にしている人は適宜必要を感じたらやれば良いという事ではないでしょうか。

  2. 古い車だと、12ヶ月点検をやらずに2年間乗りっぱなしの場合、車検時にかなりの修理箇所が出てくる可能性がある。

メーカーからクルマをさがす

国産自動車メーカー

輸入自動車メーカー