車載機器などを展開するパナソニック オートモーティブシステムズは、同社の歩行者検知機能付き車載リアカメラが、トヨタの新型「プリウス」（2023年1月発売）に採用されたと2023年5月22日に発表しました。

　車載リアカメラは、ドライバーの死角となりやすい後方の映像を、運転席付近のディスプレーに投影することで、車体の真後ろにある背丈の低いものをいち早く発見できるなど、後方の安全確認に役立つものです。

　今回採用された車載リアカメラは、検知機能を内蔵。歩行者の歩行状況を検知して運転手にブザーで注意喚起を行い、衝突の可能性がある場合はクルマを自動停止させるよう、検知結果をブレーキ制御システムにフィードバックするとのことです。

　一般に、車載リアカメラに検知機能を追加するとカメラ内のCPU負担が増大して発熱量が増大し、その排熱処理のためにカメラサイズが大きくなりますが、今回採用された車載リアカメラは、消費電力低減、放熱構造・熱伝導部品の工夫などにより、従来の車載リアカメラ並みの大きさを実現。車両デザインを損なうことなく、設置可能になったそうです。

　また、歩行者の輪郭を検出して車両後退時の接触事故を抑制するため、画質の最適化や形状検知、移動量検知など複数のアルゴリズムを併用しています。また、歩行者検知機能の動作を阻害するカメラレンズ面への汚れを検出し、レンズ清掃を促す機能も搭載しています。

　加えて、高精細・高画質な映像をディスプレーに表示しながら、検知性能を最大限引き出せるよう、信号処理LSIの映像処理ブロックを「ビュー（ディスプレー表示用）」と検知（歩行者検知用）の2経路に分離。人物検知に適したコントラスト補正と色再現性などの高視認性技術を採用しています。