一般道で「80キロ」出せる場所が存在! 市街地なのに…最高速度引き上げ!? 制限60キロだけじゃない理由とは

実はまだある!? 最高速度が時速60km超の場所は? そもそも近年「最高速度」が引き上げられる理由は?

 実を言えば、これらの道路のように一般道路の最高速度が引き上げられる事例は他にもあり、たとえば2012年には岩手県の国道283号仙人峠道路において最高速度を時速60kmから時速70kmへ引き上げられました。

 さらに、2017年にも千葉県の国道464号「北千葉道路」の一部区間で同様の最高速度引き上げがおこなわれています。

 一般道路の最高速度が引き上げられるようになったのは、警察庁が2009年から道路における新しい速度規制の基準を策定したことが影響しています。

栃木県にある国道119号バイパス「宇都宮北道路」(画像:(c)Googleマップ)
栃木県にある国道119号バイパス「宇都宮北道路」(画像:(c)Googleマップ)

 警察庁の資料「速度規制の目的と現状」によると、一般道路のうち、道路構造の水準が高く、事故などの危険が少ない走行性の高い道路については原則規制速度を時速70kmまたは時速80kmにすることと記載されています。

 具体的には設計速度(ドライバーが安全・快適に走行できる速度)が時速60km以上であること、歩行者や軽車両、原動機付自転車の通行止めがされていること、道路の上下線が中央分離帯などで分離しているといった複数の要件を満たす道路については、走行中の危険因子が少ないとして最高速度が引き上げられるケースがあるのです。

 なお前述の宇都宮北道路と鬼怒テクノ通りでは、歩行者はもちろん排気量125cc以下の自動二輪車や原動機付自転車、自転車などの通行が禁止されています。

※ ※ ※

 栃木県には全国でも珍しい制限速度が時速80kmの一般道路があります。

 特に宇都宮北道路に関しては、警察庁によって規制速度が見直されるようになった2009年以前に最高速度の引き上げがおこなわれており、まさにパイオニア的な道路といえるでしょう。

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Writer: 元警察官はる

2022年4月からウェブライターとして活動を開始。元警察官の経歴を活かし、ニュースで話題となっている交通事件や交通違反、運転免許制度に関する解説など、法律・安全分野の記事を中心に執筆しています。難しい法律や制度をやさしく伝え、読者にとって分かりやすい記事の執筆を心がけています。

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