もはや懐かしい! 車の「デジタルメーター」どこいった!? 時代を先取りすぎた「“来なかった”未来」とは
あの頃の「デジタルメーター」は「来なかった未来」!?
時代の寵児(ちょうじ)ともいえたデジタルメーターですが、1990年代初期頃を過ぎると採用が減少。デジタルメーター搭載車種が多かったトヨタでも、マークII兄弟やクラウンにデジタルメーターが残りましたが、その後もさらに勢力を減少しています。
センターメーターのクルマやハイブリッドカーの誕生により持ち直したものの、かつてのデジタルメーターとはイメージを異にしていました。
現在では、もはやタブレット端末が目の前に!? という大型液晶表示メーターが登場するなど、普及が進んでいます。
液晶画面はどんな表示も可能ですので、アナログ風の指針式メーターにすることも、色を変更することも、ナビ画面やTV放送を映すこともできます。これこそが、全面フルカラー液晶メーターパネルの大きな美点です。
こうしたフル液晶メーターの画面は美麗で、どんな表現も可能という驚きはあれど、あの当時に受けたほどの衝撃を感じにくいのも確かです。
それに比べ「あの頃のデジタルメーター」は、今なお多くの人を惹きつける不思議な魅力があります。その理由はどこにあるのでしょう。
かつてのデジタルメーターは、現在に比べると初歩的なデジタル技術で、アナログメーターの数値表示をデジタル表示で置き換えるものでした。
しかしそこには、技術に未知の領域が多かった時代ということもあり、様々な「新しいことをしよう」というチャレンジの精神が溢れているように感じます。
そしてデジタルメーターといっても、実際にはメカニックパーツで構成されていたこともあり、それがメカっぽさ、旺盛だった未来への憧れ、映画「スター・ウォーズ」やアニメ「ガンダム」などのようなSF感・高揚感を与えてくれたのではないでしょうか。
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そんなデジタルメーターが出現してから40年以上が経ちました。しかし、あの頃思い描いた未来とは違った「いま」を、私たちは生きています。
つまり、「あの頃のデジタルメーター」には「来なかった未来」の姿があるのです。
それもまた、今なおデジタルメーターが多くの人を惹きつけている理由なのかもしれません。
Writer: 遠藤イヅル
1971年生まれ。自動車・鉄道系イラストレーター・ライター。雑誌、WEB媒体でイラストや記事の連載を多く持ち、コピックマーカーで描くアナログイラスト、実用車や商用車・中古車、知られざるクルマの記事を得意とする。
AE86もデジタルメーターですしリトラクタブルのセリカXXも・・・